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連載記事 すくすくポイント

國學院大學人間開発学部による「子育てエッセー」
教育が抱えるさまざまな問題と向き合いながら、子どもたちの健やかな成長を考えます。

2018年 No.14

「言葉を育む ~人とのかかわりの中で~」

吉永先生

國學院大學 人間開発学部 子ども支援学科
准教授 吉永安里(よしなが あさと)

産業技術総合研究所特別研究員

東京都内私立幼稚園、東京都公立小学校、東京学芸大学附属小金井小学校勤務を経て、現在に至る。
主な著書:『ダイヤモンドチャート法―読みを可視化する方略』(単著)、『育てたい子どもの姿とこれからの保育』(共著)

人とのかかわりの中で言葉を学ぶ赤ちゃん

赤ちゃんは言葉を話せませんが、「お腹がすいた!」「おむつがぬれて気持ち悪い!」とさまざまなことを泣くことで大人に伝えています。泣くのは当然のこと。ピリピリ、イライラせず、赤ちゃんから親御さんへのメッセージと捉え、「お腹すいたかな?」「眠いのかな?」などと声をかけながら、おおらかな気持ちで応答してあげましょう。また、赤ちゃんは「泣く」だけではなく、ご機嫌な時に「アー」とか「ブー」など声を出すこともあります。赤ちゃんのそうした泣いたり、声を出したりする能動的な働きかけに周りの人が温かく応答してあげることで、赤ちゃんは人を信頼し、人とコミュニケーションをとって生きていくことを学んでいきます。テレビなどの情報機器から一方的に言葉を聞かせても学習効果はほとんどないと言われています。赤ちゃんと視線を合わせ、赤ちゃんからの発信に応えて、たくさん話しかけてあげましょう。

子どもの言葉の育ち

2~3歳頃、急激に語彙が増え、あれ何、これ何と身の回りの物の名前を尋ねたり、もう少し大きくなると「なんでおひさまはあったかいの?」などと科学的な質問をするようになったりします。大人も困ってしまうような哲学的な質問をすることもあるかもしれません。こうした疑問は、子どもの思考が深まっていることの証です。親御さんが「どうしてだろうね?」と誠実に向き合い一緒に考えてくれることで、考えることや言葉を使うことの楽しさやよさを学んでいきます。時には間違った言葉を使うこともありますが、まずは子どもの「話したい気持ち」を伸ばすことが大切です。注意や指摘をするのではなく、日頃から正しい言葉で親御さんが応答してあげることで、自然に修正されていきます。

読み聞かせの力

絵本の読み聞かせは、子どもが新しい言葉を覚えたり、お話の内容を理解する力を高めたりすることにつながると言われていますが、ただ読めばよいのではなく、大切なのはやはり人とのかかわりなのです。絵を指差したり、視線を交わしたり、お話の内容についてやりとりしながら読んであげるとよいでしょう。親御さんの体温を感じ、温かい声によって語られることで、子どもは安心してお話の世界に身をゆだねることができ、豊かな情感や想像力、人への信頼感も育まれていきます。子どもの年齢や発達、興味・関心、季節や行事に合わせて、さまざまな絵本をたくさん読み聞かせしてあげたいものです。

言葉を育む | 國學院大學 吉永安里准教授

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