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連載記事 午後の散歩道
山田りかのハートフルエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.49

好きなこと、みつけよう!

『午後の散歩道』に、ようこそ!

秋が深まってきましたね。 この散歩道もイチョウの葉っぱが黄色く色づいてきました。

(昔、好きだったあの人は、今頃どうしているかしら……)
イヤ、そんなことより明日の弁当のおかずだ!と 湧きあがる思い出を振り払い、スマホのネットちらしに目を走らせるそこのアナタ。
ちょっと足を止めて、焼き芋でもいかが?
そこのスーパーで焼きたてを買ってきたんですよ。

今月は、忙しいなかでも時間をみつけて、趣味を楽しむ人々をご紹介。
あなたはどんなことするのが好きですか?

毛糸

1. 私の趣味 インドア編  
「お休みの日は何してますか?」と聞かれて、
「家でボーッとしています」と答える人は世の中にたくさんいると思う。
かくいう私もその1人。 目覚まし時計を鳴らさずにゆっくり目覚め、ゴハンとゴハンの間はリビングのソファに寝そべり、録り溜めておいたテレビドラマを見ながら寝落ちする……。これぞ私の黄金休日!

読書

フラワーアレンジメントのアトリエを主宰しているWちゃんの趣味はオートクチュール刺繍。
何事も きちんと基礎から学びたい!という芯の通った性格のWちゃんは、代々木上原の お洒落な教室に通い、
仕事の合間に ちくちく地道に腕を磨いている。
彼女の最近の作品はこちら。

刺繍

刺繍デザインは教室の先生のもの、ということだけど、見ているだけでウットリ、優雅な気持ちになれちゃうほどの腕前である。

子どもがバイオリンを習い始めたのを機に、チェロを始めたのは旧友のH美。
バイオリンにチェロ、と聞くと何やらハイソなイメージだが、H美は3人の息子を育て上げた関西在住の元気ママだ。

小柄なH美が大きなチェロを両足でガシッとはさみ、ギギィーッと弓を弾く姿を想像すると 笑いが込み上げてくるのだが、地域の子連れオーケストラ『西宮きらきら母交響楽団』に入団して親子競演を果たしたり、世界的マエストロ・佐渡 裕氏と偶然にも交流する機会を得たり、とても貴重で豊かな時間を過ごしているようだ。

チェロ

最近ちょっと体調を崩しちゃったJちゃんは、リハビリがてら お菓子作りにハマッているという。
彼女のお得意は、遊び心満載のキュートな和スイーツ◎

パンダ

療養中の生活では、いろいろな制限があったりもする。でもそんななかでも、毎日を楽しく暮らす気持ちを忘れないJちゃんは、強い!
この明るさがあれば、きっと病気だって遠慮して、いつのまにかJちゃんから退散していくと私は確信している。

体調のせいで自由に動けず、凹んでいる人がいたら、Jちゃんのように 少しだけ視点を上げて、今できる楽しいことに目を向けてみて! 取り巻く世界が、きっと少しずつ変わっていくと思うから。

2.こんな楽しみもある! アウトドア編 

一人娘がめでたく独り立ちした後、ジョギングを始めたのは 都内在住で会社の元同僚・Aさん。
(最近、運動不足で身体が重いなァ)と感じていた彼女は、ある朝、通勤前にちょっくら近所を走ってみるか!と思いついた。

ランニング

通勤前にジョギングだなんて、早起きの人だけができる趣味だ(-_-)と、朝寝坊の私は彼女から一歩 距離を置いて見守っていたのだが、走る気持ち良さに目覚めたAさんのハマり度合には目を瞠るものがあった。

ウィークデーのジョギングには飽き足らず、彼女は土日も時間を作って走り始めた。
おニューのウエアにミネラルウォーター。ちっちゃなお財布に千円札を1枚入れて、いつものコースより遠回りの道を走る。閑散としている平日の早朝とは違い、休日の歩道は賑やかで、気分も上がる。

初めて遠出のランニングをした日、帰宅したAさんは 地図を取り出し、自分が走った道をたどってみた。
手元にあったピンクのペンで その道を塗りつぶすと、心の底からシャンパンみたいにシュワ~ッと嬉しさが込み上げてきたという。

ランニングMAP

「東京23区は、ほぼ制覇できたの。 葛飾と足立は、まだ端っこだけなんだけどネ」
時には体力配分を誤り、帰り道はヘロヘロになって バスに乗り込むこともあるけれど、Aさんは ピンクに塗られたロードマップを「ぐふふ!」と眺めては、 次の土日のコースを練るのだった。

Aさんはもともとスリムな人だが、走り始めてからはみるみると余分な脂肪が取れ、足首がキュッと引き締まったランナー体型になっていった。
彼女は今ではフルマラソンの市民ランナー!全国のみならず、ホノルルマラソンも完走している。

さて、アウトドア編のトリとして紹介するのは、ちょっと上級者の趣味。
それはズバリ、『旧東海道五十三次、徒歩の旅』!

この偉業を成し遂げたのは、子育ても立派に卒業した年上の友人YKさん。
もともとウォーキングが趣味だった彼女は、和歌山県から結婚して鎌倉へ移り住んだ人である。

すごろく

たまたまこちらに遊びに来ていた同郷の友と旧交を温めていた時、「歩いてみようか?」と話しが盛り上がり、面白半分に始めてみたという。

東海道五十三次といっても、映画『超高速!参勤交代』のように、お江戸から京まで一気に歩き通す旅ではない。

初日は日本橋・麒麟像の前からスタートし、銀座通りへ。徳川家の菩提寺である芝の増上寺、四十七志の供養塔がある泉岳寺から第一京浜沿いを歩いて品川へ。
所用時間は大人の足で4時間40分。
YKさんと友人は、シティホテルのレストランでゆっくりと身体を休めつつ、徒歩の旅スタート記念のディナーを楽しんだという。

その日から足掛け4年をかけ、二人は年に数回、1~2泊しながら数10kmをテクテク歩き、ゴールの京都・三条大橋まで到達したそうだ。

難所の箱根は、前を横切る猿にビビリながら体力の限界に挑み、夜は温泉で疲れを癒す。街道沿いの住民に声をかけられ、ふるまわれたお茶の美味しさに驚いたこと。その土地に行かなければ手に入らない特産品や郷土料理に出会えたこと。

富士山

東海道を歩き通す気力も財力もない私は、YKさんに会うたび、
「今、どこ歩いてるの?」と旅の進捗を訪ねては、珍道中のエピソードを楽しんだものである。

「人生は 冥土までの暇つぶし」
この言葉は、天台宗の大僧正にして売れっ子小説家だった今東光(こんとうこう)先生のありがたいお言葉……。

人が生まれてから死ぬまでの間にできることなんて、たいしたことナイ。だったらその間、自分らしく精一杯、人生を楽しみながら生きていこうじやないか。
私は今先生の言葉を、そんな風に勝手に解釈し、心の支えにしている。

富士山

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