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連載記事 午後の散歩道
山田りかのハートフルエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.32

ミュージアムで ビタミン補給 ☆

『午後の散歩道』に、ようこそ!

冷房も暖房もいらない爽やかな季節は終わり、もうじきジメジメの梅雨がやってくる。
あ~、洗濯物が乾かない(>_<) と嘆くアナタ、そんな時こそ、束の間 家事を放り出して、キレイなものを観にいきませんか? 美術館で心のビタミン、補給しましょ♪

美術には何の造詣もない私だが、ふと思いたって美術館へ行くこともある。
古今東西の美術品を、「わぁ、キレイだなぁ」と鑑賞するだけで、なんとなく心のビタミンが補給されたような気持ちになるからだ。

ということで今回は、私の記憶に残る美術展について、お話ししよう。

1. ボッティチェリと若冲

最近 訪れたのは、上野の東京都美術館で開かれた、『ボッティチェリ展』と『若冲展』。

動物園のついでに、アート鑑賞しませんか?

ボッティチェリというと、「あ~、あの 貝殻の上に立ってる 裸の金髪美人ね!」と思いつく方も多いだろう。
ボッティチェリはイタリアのルネッサンス期 (15世紀頃) に、ラファエロやダ・ヴィンチと並んで活躍した画家である。
貝殻に立つ美人画『ヴィーナスの誕生』は残念ながら今回の展示品のなかにはなかったけれど、幼子イエスを抱っこして、
(あ~、なんか心配!)と我が子の行く末を案じている『書物の聖母』や、
フィレンツェ一番の美人さんを描いた『美しきシモネッタの肖像』など、美術の教科書で見たことがある名画がたくさん!
ドレス生地の質感や結い上げた髪のゆるやかな流れなど、ただボーッと見ているだけで、なんとな~く女子力がUPしたような気にさせてくれる展覧会だった。

路上に描かれたヴィーナス。 誰も踏めない!

この『ボッティチェリ展』の後、同じ美術館で開催されたのが江戸時代の天才絵師伊藤若冲の絵を一堂に集めた『若冲展』だ。
若冲は江戸中期に京都・伏見で活躍した絵師だけど、江戸で一世を風靡した北斎や写楽に比べると、イマイチ知名度は低い。
しかし最近になって、彼の超絶的な技巧や鮮やかな色彩、モチーフとなった動植物の面白さ・力強さが話題となり、美術にうとい私の耳にも届くこととなったのである。

NHKで放送された若冲スペシャルを見た私は、「これは一度観ておかねば!」と、会期終了前の平日の午後、美術館に駆けつけた。

若冲観るのに100分待ち! 日本人ってアート好きなのねェ。

「100分待ち」の行列に並び、館内に入ると、もうそこは唯一無二の若冲ワールド!
丸いホールいっぱいに展示された30幅(ぷく)の『動植綵絵 (どうしょく さいえ) 』は、地球に住むあらゆる動物や植物が緻密に大胆に描かれ、
『象鯨図屏風(ぞうとくじらず びょうぶ)』は、左は潮を吹くクジラさん、右は若冲が半分想像して描いた、ちょっと不思議な白象さんの絵。
『鳥獣花木図屏風(ちょうじゅうかぼくず びょうぶ)』は、実物・想像とりまぜた動物達を、デジタル画のように1センチ角のマス目に複雑な技法で彩色した、この世の楽園を思わせる屏風。

「千年後に、私の作品の価値を見抜いてくれるのが頼りだ」
という言葉を残した若冲さん。でも心配しないで。千年待たなくても、300年後にブレイクしましたよ、あなたの作品!

若冲ワールド満喫! 100分待った甲斐がありました◎

2. ピカソとマリー・アントワネット@サントリー美術館

大きな美術館で長~い行列に並ばなくても、小さな美術館で至福の美術鑑賞ができることもある。
私は六本木ミッドヒルズにあるサントリー美術館が好きで、面白い展示があると、六本木まで足を伸ばす。

そのなかでも記憶に残るのが、『巨匠ピカソ・魂のポートレート展』と『japan 蒔絵・宮殿を飾る東洋の燦めき展』だ。

ピカソ展は数年に一度は開かれる人気展だけど、’08年にサントリー美術館で開かれた展覧会は面白かった!
美術の教科書に載っているような大作ではなく、ピカソが描いた妻や愛人に焦点を定め、彼の人生年表に合わせて展示されていた。

キッチンに長年飾っているウチのピカソ。大好きな絵です♡

熱烈に愛し合い 結婚した妻オルガが、数年後、ピカソと新しい愛人マリー=テレーズの睦みを覗き見する超~恐ろしい形相の女に描かれていたり、その数年後、同じようにピカソの新しい愛人を睨みつけるマリー=テレーズがいたり。
天才のパワーは恋愛においても お盛んのだったのが、よーくわかる構成だった。
そうして展示の一番最後には、『若い画家』と題する彼の最晩年の自画像。
90才のピカソが、青年に戻った自分を描いているのだが、色をほとんど用いず、ありあまる才能と愛欲を、全部クッキリと使い切った男の「 灰 」になった姿を描いたようで、ピカソの人生の最期を見届けたような気持ちになった。

『japan 蒔絵・宮殿を飾る東洋の燦めき展』は、18世紀フランスの宮廷貴族たちが集めた、日本の蒔絵(まきえ)工芸の品々を集めた美術展で、なかでも素晴らしかったのは、悲劇の王妃マリー・アントワネットが所蔵していた蒔絵小物の数々である。

ここに写真は載せられないけれど、
「アントワネット 犬 蒔絵」で画像検索すると出てくるので、是非見てほしい。

小さな犬が寝そべってこちらを向いている置物は彼女の一番のお気に入り。といいつつ、彼女はこれを猫だと思っていた、という天然エピソードも面白い。
春と秋の蒔絵模様が1対になっている引き出し型の小さな宝石入れは、引き出しの一つが、春と秋、入れ違いになったまま、フランス革命を経て、別々の美術館に別れ別れに所蔵されていた。

「パンがなければケーキを」なんて言ってるから~(>_<)!
かつて「ベルサイユのばら」に心酔していた私は、その後 革命の露と消えたアントワネットに思いを馳せ、
(好きな物を全部 置き去りにして 逃げるのは、辛かっただろうなぁ)
と、勝手にウルウル涙ぐんだりしたものである。

3. 一日遊べるテーマパーク型ミュージアム♪

アントワネットもいいけど、子どもと一緒に楽しめる美術館がいい! というアナタにオススメなのは、箱根・彫刻の森美術館だ。
交通アクセスは、箱根湯本駅から箱根登山鉄道に乗り、「彫刻の森」駅で降りて徒歩2分。 ちょっと温泉にでも行こうか!となったら、是非とも足を伸ばしてほしい。

ここの特徴は、なんといっても広大な敷地に点在する、面白~い形の彫刻たちだ。
ハンドバッグを持った巨大な女の人や、地面にピッタリうつ伏せになった人など、子ども達と一緒に、ヘンテコ彫刻を楽しもう。

近くで見るとスゴイ迫力! 他にもヘンテコなオブジェがいっぱい。

子ども達に大人気、「星の庭」と名づけられたフィールドには木製の迷路。 透明な素材で作られたジャングルジムは「しゃぼん玉のお城」。
ここは子ども達と遊びながら芸術と親しめる、とっても素敵な美術館なのである。

さて今回のミュージアム特集、いかがでしたか?
彫刻の森以外、全部 終わっちゃってるじゃない!
とおっしゃるアナタのために、これから観られる面白そうな美術展を紹介しよう。

1. 『ルノワール展』  開催中~8/28  国立新美術館(六本木)
2. 『大妖怪展 ~土偶から妖怪ウォッチまで~』7/5~8/28 江戸東京博物館
3. 『ミッフィー展』 7/30~8/24 横浜赤レンガ倉庫1号館
4. 『ピーターラビット展』 8/9~10/11 Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷)

ね? これからも楽しそうな美術展がいっぱい! さぁ、あなたもキッズと一緒に
レッツ・アート♪♪

女はいつだってヴィーナス!って、タッキーと翼も言ってマス(笑)

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