
プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。
初春 夢の話
2015.01.01あけまして おめでとうございます◎
今年も『午後の散歩道』に、ようこそいらっしゃいました!
おせちの食べ過ぎで太っちゃったアナタ、この散歩道で 軽〜くカロリーを消費してって下さい。
西島も向井も結婚しちゃったしさ〜(T_T)と嘆くアナタ、わかります!
自分とは住む世界が違う芸能人だとわかっていても、誰かのものになっちゃうのは寂しいですよねぇ。
そんな切ない女心を、わかっているのか西島よ!
さて、今回のエッセイは新年の初夢にちなんだ夢の話。
未来を夢みる夢じゃなく、睡眠中に見る夢のほうだ。
でも初夢っていつ見る夢のこと? と疑問に思われている方も多いと思う。 私も気になって調べてみたところ、初夢とは元旦の夜に見る、もしくは2日の夜に見る夢、と2つの説があるようだ。ウィキペディアでは元旦の夜説、All About では2日の夜説を推してるみたい。 ということで、散歩道では 元旦でも2日でも いい夢を見たほう、という説を採用しようと思う。
初夢といえば「1.富士 2.鷹 3.茄子(なすび)」。そう思って、眠る前に(鷹の背中に乗って大空から富士山を眺める、腰には巾着茄子)という誠にめでたい図をイメージして睡眠に臨んだことがあるが、残念ながら それらが夢に出ることはなかった。
初夢に限らず、皆さんは最近どんな夢を見ただろうか?
できれば毎朝、あ〜、いい夢だった♪と思える夢を見たいものだが、夢はその時の体調や環境、精神状態が影響する とってもデリケートなもの。 起きた時にドヨンと疲れが出たり、何かに追われて逃げ回ったり、枕が涙で濡れちゃうような悲しい夢を見たりすることもある。
親友のライターAは、
「アタシは結構な確率で見たい夢が見られる」と豪語している。
先日も 旦那同伴のホームパーティーで、少し離れた所にいる小栗旬と「この後、ちょっと抜けだす?」「うん♪」と目だけで会話した♡などと自慢するのである。 (念のため確認するが、これはあくまで夢の話)
「えぇ〜ッ。Aばっかりズルイ! それでアンタ、ダンナを差し置いて旬とどこに抜け出したの!?」
「それがねェ、抜け出す前に目が覚めちゃったの。 続きが見たい!って必死に目をつむるんだけど、1度目覚めたら もうおしまいなのよね」
Aはそう言って物憂げに溜め息をついた。 おそらく彼女は今夜も 夢の続きを見ようと、眠る前に小栗旬を思い浮かべるのだろう、旦那の隣りで…。
Aのように、見たいと思って見られるわけではないが、私も過去にはよく有名人の夢を見たものだ。
風邪で寝込んでいる成宮寛貴を一晩中看病したり、雪の夜に 若い頃の香取慎吾とこたつに入って留守番したり(確認するが、あくまでも夢の話)、木村拓哉に牛ヒレ肉のフランス料理を作ってもらったこともある。
もっと昔に見た、前頭2、3枚目の若乃花・貴乃花が、私のアパートに遊びに来た夢も楽しかった。
当時 住んでいた中野のアパートは、6畳に4畳半のロフトが付いているだけの狭い部屋だったが、そこに浴衣姿のあの兄弟がやってきて、私は彼らに手作りの卵焼きをご馳走したのだ。貴乃花は、「美味しい、美味しい」と喜んで、あっという間に平らげたのに、若乃花は「僕はこういう味付けは あんまり好きじゃない」と、私の料理にケチをつけていた、夢のなかで。
その頃はちょうど、文筆で生きてゆきたいともがいていた時期で、不安と希望が入り混じった、奇妙な夢をたくさん見た。
空を飛ぶ夢、というと解き放たれたイメージだが、当時見た夢のなかの私は、自分の背丈ほどしか浮き上がっていない。 高く飛びたいのに 向かい風が強く、平泳ぎのフォームで一生懸命飛んでいると、ゆっくり地面を歩いている祖母に、後ろから追い越されてしまう。
夕暮れの放課後の学校。 渡り廊下を、車椅子に乗って走っている私。で、その車椅子は誰が押してるの? というところで、ゾッとなって目覚めた夢。
当時好きだったブティックの店先で、喪黒福造みたいなオジサンから、
「この店のなかの物、100万円分買っていい」と言われ、喜び勇んで店内に一歩 足を踏み入れたところで幕切れとなった夢。
あの夢は目覚めた時、本当にがっかりした。
毎月のお給料やボーナスよりも、小説家になって文筆で独り立ちする夢を選んだはずなのに、まだそんな物欲があったのかぁ、と自分に失望したのである。 今も、その物欲は私のなかに住みついているけれど、それでいいじゃない、人間だもの。と、相田みつを風に自分と折り合いをつけている。
渡り廊下に車椅子の夢以外にも、怖い夢をたくさん見た。
当時はとにかく新しい発想が湧き出ることを熱望していたので、夢のなかでも、何かイメージが浮かんできたら、無意識のうちに盛ってしまう癖がついていたようだ。
イタリアの古い都市を、親切な中年女性のツアーガイドと二人で歩いている。
ヴェローナのような美しい町並みを眺めながら散策するうち、だんだん薄暗くなってきた。 気がつくと私達二人は長い一本道を歩いていて、周囲は朽ちかけた十字架のお墓ばかりになっている。
「なんだか怖い所ですね」
早く明かりがある街へ行きたくて私が言うと、
「大丈夫、ちっとも怖くなんかないですよ」
私よりも10才程年上のガイド女性は、おかしそうに微笑みかける。
「いや、やっぱり怖い。これ全部、お墓ですよね」
するとガイド女性は おびえる私の肩にそっと手を置き、
「怖がらなくても大丈夫!」私を見て、はっきりと笑った。
「だってこれ殺したの、全部 私ですもの」
イヤァ〜ッ! という悲鳴が、今 私の耳に聞こえてきた。
アハハ。 ごめんなさい。 これただの夢ですから!
お墓の一本道まではナチュラルな夢だけど、ガイドが放った衝撃のひと言は、眠りのなかで私が無意識に ひと盛りしたと思われる。
だから大丈夫。この散歩道は、ちっとも怖くないですよぉ〜。
編集部のY子に怒られるから、怖い夢の話はこれでやめにしよう。
調べてみると、夢は、おおむねレム睡眠(身体が眠っていて脳だけが目覚めている状態)の時に見るとされている。 睡眠は、レム睡眠と、脳も眠っているノンレム睡眠の組み合わせで構成されており、これが1セット約90分。私達はそれを毎晩4〜5セット繰り返し、1日の疲れを癒しているという。
レム睡眠は、入眠時よりも3セット目を過ぎた、夜明け近くのほうが多く発生するので、夢も真夜中よりも明け方近くに見ることが多いらしい。
明け方近くに見る夢は正夢、と聞いたことがあるけれど、それはどうだろう。
科学的には、夢は脳内に発生する電気ノイズが、起きている時に集めた様々な情報とリンクして引き起こされる、気まぐれな幻覚劇場のようなものらしい。 でもそう言われると、身も蓋もない感じがするなぁ。
夢のなかでハッキリ見える鮮やかな色彩や味、手に残る感触は、科学などでは説明できないリアルさがある、こともある。
親友のライターAが見る夢に、私が嫉妬しちゃうのも、夢のリアルさを経験したことがあるからである。
そう。 できることなら私だって、藤原竜也と目配せをして、今の生活から どこかへ抜け出してみたいのだ。 夢のなかだけで。
新年にお届けした夢話。 ラストは私が長い人生のなかで見た、とっておきの夢の話を。
夜、私は段々畑の丘のてっぺんに座っている。
一人で座っているのだが、なぜか少しも寂しくない。
暑くも寒くもなく、吹きわたる風がとても心地よい。
目の前には暗い夜空が広がっていて、私は何も考えず、ぼんやりと その夜空を眺めている。
すると山の稜線の後ろにある夜空のふちが、半円形のドームの窓のように
少しずつ上に持ち上がっていく。
何? と思ってみつめているうちに、ドームの窓は私がいる丘の、はるか上空までめくれ上がる。
夜空のドームの向こうにあるのは、大気圏越しではない、生の宇宙だ。
音のない宇宙のはるかかなたには、銀河系のような巨大な星団や、放射線状に輝いては散ってゆく流星群があちこちにあり、息をのむほど美しい。
その果てしない悠遠さに、私は頭を空っぽにして、ただみとれている。
いかがでしょうか、この夢は。
オチを期待していた方、スミマセンm(_ _)m
私はもっと凄いを見た!という方は400字にまとめてビタミンママ編集部までお寄せ下さい。 採用された方には、Y子の愛犬Mちゃんの、真冬のお散歩1時間券を差し上げます。(笑)
散歩道を行き交う人々に、今宵もよい夢が訪れますように☆
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