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連載記事 すくすくポイント

國學院大學人間開発学部による「子育てエッセー」
教育が抱えるさまざまな問題と向き合いながら、子どもたちの健やかな成長を考えます。

2016年 No.07

「出会いとは、空なり」で、子どもはスクスク成長

 子どもにとっては、あっという間の夏休みだったことでしょう。夏休みと言えば、子どもたちとの接触時間が増えるときです。
 子どもの心を知る、子ども理解にとって、こんなチャンスはないと、頑張った親御さんも少なくなかったでしょう。
 日頃はどうしても互いに忙しくて、子どもが今、何に悩み、何を考えているのか、子どもの心のひだに踏み込むことは、なかなかできません。他方、子どものほうも日常のこと、明日をどうするかで精いっぱいです。「自分さがし」はおろそかになります。
 学校も始まりました。夏休みの反省も込めて、子どもの心を知る、子ども理解の方法を考えましょう。
 「自分さがし」は、小学校3・4年生頃から本格的に始まります。これは、自律化に向けて、自分自身を対象化し、外から自分を客観的に見るということです。
 実は、自律化が進むと本音や言いたいことが言えず、よそよそしくなります。思春期になれば反抗するようにもなります。
 子どもの頃、そのようなことはありませんでしたか。子育ての一番の教科書は、自分の子どもの頃の経験です。親のどのような言葉に傷つき、励まされ、勇気づけられたでしょうか。
 心の通わないところで、「ダメ」と言ってしまえば、子どもはさらにかたくなになります。そこで、「出会いとは、空なり」なのです。
 自分の思いで頭が一杯になれば、相手の気持ちが受け入れられず、相手の心も見つめることができなくなるということ。
 これは、親と子の関係で言えば、親と子の心の「出会い」がなくなるということです。
 たしかに、頭をいったん「空」に、無の境地、空っぽにしてやらなければ、相手(親)の思いや心情を受け入れることはできません。相手を受け入れるだけの隙間が生まれません。
 それでは子どもの心の理解は不可能です。親の思いで頭がいっぱいになると、子どもとの間に心の壁や距離ができてしまいます。また、親が子育て側の立場で身構えると、子どもたちも、自分の気持ちを隠そうとします。逆に、反発して爆発させるようにもなります。これでは、親子の心の「出会い」は生まれません。
 これは、別の言い方をすれば、「大根役者」にはならないということです。
 駆け出しの俳優さんほど、必死に演じようとするのですが、かえって観客に訴えるものが失せてしまいます。世間では、それを大根役者と言います。
 親として、子どもの前で「大根役者」を演じないようにお願いします。

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