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連載記事 名画座で待ち合わせ
山田りかのシネマエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.5

幸福の黄色いハンカチ

心の温かさ伝える一期一会の物語


『幸福の黄色いハンカチ』

昭和育ちの人なら誰もが知っている山田洋二監督の名作邦画。
 網走刑務所を出所した男が、ナンパで出会ったカップルと共に、妻が住む夕張の町に帰るまでの心温まるロードムービーである。

 日本映画の定番ともいえる作品だが、原作はニューヨーク生まれの作家ピート・ハミルのコラム『ゴーイングホーム』。戦地へ赴く家族の生還を祈り家の外に黄色いリボンを飾る、という古い風習をベースに書かれた随筆である。

 人を殺めた前科を持つ男に高倉健。ナンパなバカップルを演じたのは金八先生になる前の武田鉄矢と『前略おふくろ様』の海ちゃん役でブレイクした桃井かおり。ミスマッチな三人の珍道中は、やがて男が愛した妻(倍賞千恵子)が暮らす夕張の町に入り、張りつめた空気へと一変する。
 青空にはためく黄色いハンカチのラストシーンは、何度見ても自然と胸が熱くなる。

 たとえそれが旅で出会った見知らぬ他人だったとしても、その人の幸せを心から願い、応援したいと思う瞬間が、人間にはある。

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