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連載記事 名画座で待ち合わせ
山田りかのシネマエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.4

スタンド・バイ・ミー

大人たちに贈る夏の日の思い出


『スタンド・バイ・ミー』

ホラー小説の大家スティーブンキングの自伝的短編を映画化した、ノスタルジーに満ちた少年映画だ。アメリカの片田舎に住む12歳の少年4人が、冒険を求めて秘密の旅に出る物語。
 この年頃の男の子が4人集まったらロクなことは考えない、と大人が思う通り、彼らの冒険の目的は、「森で行方不明になった子どもの死体をみつけて有名人になる」というものだった。
 映画を撮ったロブライナー監督は、4人の少年たちが抱える家庭の問題に光を当て、やんちゃな冒険話に陰影を与える。
 父親の虐待や荒廃した家庭、兄の死で冷えきってしまった両親の愛情。子どもの心に沈殿しているやるせない悲しみが、この映画を貫くキートーンとなっている。
 森での冒険を終えた4人は少しだけ成長し、我が家へと帰る。大人になった主人公は、「12歳の時のような友人を、私はその後持ったことがない」と回想する。仔犬のようにじゃれ合って過ごした子ども時代の思い出は、大人の心の底で輝き続ける、一生の宝物だ。

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