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連載記事 午後の散歩道
山田りかのハートフルエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.64

散歩道なりに平成を振り返る ~ドラマ編~

『午後の散歩道』に、ようこそ!
風邪を引かないように、この散歩道にも、帽子・マスク・マフラーぐるぐる巻きの「不審者ルック」が横行している。もちろん私も、不審者ルックの1人である。

そんな寒さのなか、日ごとに熱を帯びてくるのは『平成最後の○○祭り』。
ついこの間、新しい年を迎えたばかりなのに、あと3か月で平成とサヨナラをし、新元号にコンニチハ!をしなければならないなんて…。
ああ、お願いだから、そんなに追い立てないで(T_T)
私はもっとゆっくり、去りゆく平成をみつめていたいの!

ということで、今回のテーマは 散歩道なりに振り返ってみる平成、そのドラマ編だ。


平成30年を、ドラマで振り返る!

1.平成ラブストーリー

年齢不問のこの散歩道だが、たぶん私は読者の皆さまより、ほんの少しオトナな女。
それゆえ平成が始まった時の記憶はバッチリこの胸に刻まれている。
もちろんその頃流行ったドラマだって、両手の指では足りないくらい覚えている。
平成序盤のドラマといえば、何と言っても恋愛ドラマだ♡

当時はフジテレビの月9恋愛ドラマの全盛期。
「カーンチ!」ティキティーン!で平成女子の心を鷲づかみにした『東京ラブストーリー』(平成3年)や、「ボクは死にましぇーん!」と走るトラックに突進した武田鉄矢の『101回目のプロポーズ』(平成3年)。
今ではイタイ歌姫ナンバー1の中森明菜も『素顔のままで』(平成4年)で可憐な演技を披露していた。

その『素顔のままで』の脚本を書いた北川悦吏子は、その後 恋愛ドラマの女王、と謳われ、次々とヒット作を生み出した。

なかでも常盤貴子を主演に迎えた2つのTBSドラマ、『愛していると言ってくれ』(平成7年)と『ビューティフル ライフ』(平成12年) は、平成の恋愛ドラマを代表する名作と言えよう。

北川悦吏子はフジテレビでも木村拓哉と山口智子の『ロング バケーション』で一世を風靡。当時のカラオケボックスで、久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」が歌われない部屋は 一つもなかったのではないだろうか。


後ろからハグ、は永遠の胸キュン♡photo by Oleg Baliuk

平成前半を彩った、ロマンチックでストレートな恋愛ドラマは、時代の変遷に伴い、より身近で 不器用な人々の恋愛模様を描くモヤモヤラブと、胸キュンシーンを次々と実写化する少女マンガラブ、この2方向へと分岐する。

サラサラ髪の小栗旬の「ま~きの!」で世間を揺るがせた『花より男子』(平成17年)は、胸キュンラブの金字塔的作品。
しかしこの胸キュン潮流は、「お金を払ってでも、見たい!」という熱烈ファンに支えられ、ドラマより映画や2.5次元舞台などに流れていった。

その一方、ドラマプロデューサーのキョンキョンと鎌倉市役所職員の中井貴一が、いいトシをしてなかなか好きだと言いだせない状況を軽快なタッチで描いた『最後から2番目の恋』(平成24年)や、雇われ家政婦のガッキーとコミュニケーションが下手なIT社員 星野源によるモヤモヤラブストーリー『逃げるは恥だが役に立つ』(平成28年)、
オーケストラからはみ出した弦楽奏者による恋愛劇『カルテット』(平成29年)など、どれも恋愛一直線にはなれない男女の機微を描いていて、感慨深いものがある。

そして時代は、サラリーマンのオジサン同士の純愛劇『おっさんずラブ』(平成30年)へと、いろんな意味で進化を続けるのであった。


この2人の関係は!?

2.平成お仕事ドラマ

私の幼少期、お仕事ドラマといえば『太陽にほえろ』を代表とした刑事モノがメインであった。
ジーパン刑事こと松田優作が殉職するシーンで、自分の腹部に流れる血液を見て「なんじゃ こりゃあ!!」と叫ぶシーンを、クラスの男子たちが そこかしこで再現していた光景が思い浮かぶのであるが、平成ともなると、そのスタイルはより軽妙なものとなる。

冒頭の殺人シーンから犯人を捜し当てる「コロンボ形式」で人気を博した刑事シリーズ『古畑任三郎』(平成6-11年)や昔の都知事・青島幸男と同名の若手刑事が、警視庁の組織体制を逆手に取って活躍した『踊る大捜査線』(平成9年)など、脇役のキャラクターまでキチンと立っていて、面白かったなぁ。


パトカーのカーチェイスも、平成では影をひそめた…。

平成の中盤では、恋愛ドラマを卒業した木村拓哉が、悪者を法で裁く検事に扮した『HERO』(平成13年)が大ヒット。
このとき、木村演じる久利生(くりゅう)が着用していた茶色いダウンジャケットが話題を呼んだが、今 検索すると、派手過ぎて町では着られない感が漂っている。

お仕事ドラマが当たった木村拓哉は、検事の後、レーサー、アイスホッケー選手、総理大臣、脳科学者、外科医へと職業を変え、最近では再び検事、ガードマン、潜入捜査官と、忙しい日々を送っているようだが、私としては、彼が真面目に恋愛ドラマを演じていた頃の、ピアニスト(ロングバケーション)や美容師(ビューティフルライフ)が好きだったなぁ。

がしかし、平成に放送されたお仕事ドラマは、コメディタッチのドラマばかりではない。

大学病院の闇をえぐり出して社会に問題提示したフジテレビの『白い巨塔』(平成15-16年)や、リーマンショック後の金融界の暗部をえぐったNHKの『ハゲタカ』(平成19年)、同じくNHKで警察内部と事件の間で揺れ動く刑事を描いた『ロクヨン』(平成27年)など、社会問題と真っ向勝負をする志の高いドラマも、平成にはたくさん放送された。


オペシーンは病院ドラマの定番。

そして最近のお仕事ドラマで忘れてはいけないのが、池井戸淳原作の小説をドラマ化したサラリーマン応援シリーズだ。
『半沢直樹』(平成25年)、『下町ロケット』(平成27年)、『陸王』(平成29年)、『下町ロケット』(平成27・30年)など、どれも、吹けば飛ぶような弱小企業で働く人々が、情熱とガッツで巨大企業に真っ向勝負をする姿を描いて、平成のお父さん世代から絶大な支持を得ている。

また、フリーの外科医・大門未知子が「私、失敗しないので」の決めゼリフで巨大病院を渡り歩く『ドクターX』シリーズ(平成24-30年)は、平成が生んだ新しいヒロイン像というよう。
年がら年中、些細な失敗を繰り返している私としては、
「大門未知子だって、たまには間違えて欲しい、靴下の柄とか」
などと思いながら、米倉涼子のパンプスの足音に胸をときめかせたものである。


スラリと伸びたハイヒールの脚。……羨ましい(T_T)

3.NHK名作ドラマ

民放と違ってスポンサーの意向を考慮する必要のないNHKには、朝ドラと大河ドラマという、2大定番がある。

「そっち方面は、親の世代のお楽しみ」
と思われる方も多いかもしれない。
私だって昭和の終わりから平成にかけては、自分自身の仕事やら恋愛やらに忙しく、朝ドラや大河ドラマには興味がなかった。

そんな私を日曜の夜8時、テレビの前に引き寄せたのは、平成16年に放送された『新撰組!』だ。
脚本家は三谷幸喜。近藤勇は香取慎吾。沖田総司は藤原竜也。ヤフーニュースで制作発表を知った時、私は『太陽にほえろ』のジーパン刑事のように「なんじゃこりぁ!」と叫んだものだ。
放送された1年間、私は日曜夜のオンエア、平日の夜に録画ビデオ、土曜午後の再放送、と1話につき、3回視聴し続けた。あんなに熱心に大河ドラマを視聴したのは、私の人生で最初で、たぶん最後なのではないかと思う。

『新撰組!』で大河ドラマの面白さを再発見した私は、その後も宮崎あおいが幕末最後の大奥を取り仕切る『篤姫』(平成20年)やイケメン過ぎる福山雅治より、人斬り以蔵の佐藤健にときめいた『竜馬伝』(平成22年)、三谷幸喜がドラマ史上初めて関ケ原の戦いをナレーションで済ませた『真田丸』(平成28年)、柴咲コウが華奢な尼さん姿で小国を守り抜いた『おんな城主 直虎』(平成29年)など、月曜から始まるワーキングライフの栄養剤として、楽しませてもらっている。


日本の大河ドラマは海外でも大人気!
photo by jpellgen on VisualHunt

NHKの定番ドラマのもう一つの柱は、言わずと知れた朝ドラだ。
日本全国、子どもからジイジ・バアバまで、国民全部に向けた「NHK連続テレビ小説」、それが朝ドラ。

伝説の朝ドラ「おしん」(昭和58年)で最高視聴率62.9%を記録したNHKの看板シリーズも、時代の流れにより、その人気は徐々に下降していった。
平成に入ると、最高視聴率が20%に満たない作品も出てくるようになり、テレビ界における朝ドラの存在は、だんだんと薄れていった気がする。

しかしそれをくつがえし、やっぱり朝ドラは国民全部に向けた番組なんだ、と思わせてくれたのは、平成23年、東日本大震災が起こった直後に放送された『おひさま』だ。

日本がこれからどうなってしまうのか、悲しみと不安でいっぱいだった時、まんまるの瞳にまっすぐな笑顔の井上真央が、激動の昭和を生き抜いた女性の半生を演じ、私たちに、優しい慰めと 生きるエネルギーを与えてくれたのである。


女子の笑顔が世界を救う◎

『おひさま』の後の2作、
『カーネーション』(平成23-24年)と『梅ちゃん先生』(平成24年)は、どちらも第二次世界大戦から復興を果たした昭和の日本を舞台とし、朝ドラは作品を通して震災の復興を支援した。
また、震災から2年たった平成25年には、甚大な被害を受けた南三陸を舞台にした『あまちゃん』で、日本列島にじぇじぇじぇ旋風を巻き起こしたのである。

人生の辛い時、悲しい事が起こった時、人はそれをみつめ、打ち克ってゆかなければならないけれど、ほんのひととき、そこから目をそらし、違う人生や違う恋に、胸を躍らせる時間も必要だ。

テレビドラマは、大変な人生を生きていかなきゃならない私たちの、一服の清涼剤。

平成の30年間、ザザッとドラマで振り返ってみましたが、あなたがハマッたドラマは何でしたか?

「いや~、私はまるッと『トリック』(平成12年)だね!」
「なんで『のだめカンタービレ』(平成18年)が出てこないの!?」
とおっしゃる皆さま、
それじゃあ今度は散歩道の集会所で、心ゆくまで語り明かしましょう♪


新時代のヒロインは、笑顔でいてほしい♪

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