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【インタビュー】子供の成長に合った矯正治療のベストタイミングを提案

院長 富田 陽一先生

日本歯科大学、同大学院歯学研究科卒業。日本歯科大学附属病院矯正歯科、富田歯科医院等での勤務を経て、2008年とみた矯正歯科クリニック開院。歯学博士。

子供の成長に合った矯正治療のベストタイミングを提案

とみた矯正歯科クリニックは、駅から徒歩3分とは思えないほど静かな住宅地にあります。建物の正面がローズマリーやアイビーなどの植物に彩られ、まるで一軒家にお邪魔するような感覚でドアを開けると、おしゃれなインテリアたちで彩られた、歯科クリニックとは思えない洗練された空間が広がっていました。穏やかな笑顔で患者さんと真摯に向き合い治療を行う、日本矯正歯科学会認定医である院長の富田陽一先生にお話を伺いました。

幼少期から診ることで矯正のタイミングを見極める

――矯正歯科医になられたきっかけや、この場所に開業された経緯をお聞かせください。

 実家が代々歯科医院を営んでいたので、子供の頃から自分も歯科医になるものだと思っていたので、迷わず歯科大学に入りました。大学では軽音部に入り、テナーサックスでジャズ演奏などを楽しむ一方で、授業では細胞や組織などの基礎研究に興味を持ち、さらに知識を深めたいと思い大学院へ進みました。ところが、矯正歯科を専門にしている先輩の仕事を見学するうちに、矯正の奥深さを知り、歯並びやかみ合わせが悪くなる原因を突き詰めたいという探求心が芽生えたんです。

 また、それらを治すことが患者さんの健康につながることも学びました。10年ほど勤務医を続け、高齢の方の治療にも多く携わりましたが、やはり歯並びがよく、かみ合わせがしっかりしている人ほど体が丈夫でお元気なんです。一方で、歯並びが悪くなる前か直後であればもっと楽に治せたのに、と思う患者さんにもたくさん出会いました。病院は、歯科に限らず不具合が出てから行くところだという認識が強かったのでしょう。そういった経験を踏まえ、幼少のうちから虫歯の予防や治療をしながら歯並びの経過観察ができる「子供の予防矯正歯科」をつくろう、と決めました。

 この場所を選んだきっかけは、子供の歯列矯正に対して意識の高いファミリー層が多く住むエリアであること、建物のすぐ前に3台分の駐車場が確保できること。そして何より通行量が少ないこと! 駅前に比べると不便で認知もされにくいですが、小さなお子さんを連れて車で来られるお母さんが焦らずゆっくり駐車できる「通いやすさ」に最大のメリットを感じました。

――自分の子供に矯正が必要かどうか、何歳ぐらいから分かるのでしょうか?

 見極めるタイミングは何度かありますが、早い子は1歳半健診をきっかけに来院されます。その年齢からでも定期的に口の中を診ていけば、3歳くらいで将来的に歯並びが悪くなるかどうかの判断がつきます。この段階で悪くなる傾向が見られたら、その後自然に良くなることは決してありません。逆に乳歯はきれいな歯並びだった子がその後の鼻疾患、口呼吸、軟食傾向などのさまざまな要因で7歳の頃に悪化してしまう可能性もあります。タイミングを逃さずに最適な治療を提案するためには、幼少期から定期的に診ていくことが一番大切です。

――矯正治療のタイミングは人それぞれとのことですが、早めに始めたほうがいい症例はありますか?

 当クリニックでは、まだ顎の骨が柔らかい5~8歳の時期に歯並びの異常が見られる場合、その原因となるものの治療から始めるケースが多いです。顎の成長バランスや大きさなどに問題がある不正咬合の場合は、矯正治療を前期と後期の2期に分けて治療するのですが、前期治療で乳歯から永久歯への生えかわり時期にあたる小学校低学年くらいまでに顎の成長を整えます。矯正自体は一番早いケースで4歳ぐらいから始められますが、個人差もありなかなか難しいのが実状です。

 大人の話を聞く理解力があり、治療や装具自体を受け入れられないといけませんから。後期治療は、永久歯が生えそろった中学生以降に装具などを使用して歯を動かしながら仕上げ調整をします。ただ、必ずしも2期に分けて行うものではなく、前期だけで矯正が完了するケースも増えています。歯並びやかみ合わせが悪くなる原因は遺伝だけではありません。患者さん本人や保護者の方が気づきづらい原因を探り、それ自体を改善させることも矯正歯科医の務めだと思っています。

口周りの筋機能を鍛え、歯並びが悪くなった原因を改善

――具体的な改善方法を教えてください。

 常に口呼吸をしている子は口を開けっ放しにしているため、口周りの筋機能が使われずにどんどん衰えて不正咬合になる可能性が高いです。また、食べ物を飲み込むときに舌や口周り、首などの筋肉を使った嚥下運動がきちんとできない子は、顎が正しく成長しないので歯並びが悪くなります。当クリニックでは5年前より、衰えてしまった筋機能を意識的に使う訓練としてMRCシステムを導入しています。

 トレイナーというマウスピースを口に入れ、舌を本来の位置に戻しながら意識して口を閉じることで、口周りの筋肉を鍛えて鼻呼吸に戻していくのです。最初は息ができずとても辛いのですが、少しずつ慣らし、1日1時間以上と睡眠時に装着すると効果が出ます。永久歯に生えかわる時期に大きな効果を発揮すると言われ、当クリニックでは7歳ぐらいから始める子が多いです。訓練期間は1年~1年半。マウスピースだけで治る子もいれば、歯列矯正用の装具を併用して治る子もいます。

 どちらの場合も大切なのは、歯並びが悪くなった原因をしっかり改善すること! そこを治さない限り、たとえ一時的に歯並びがきれいになったとしても、また1、2年で元に戻ってしまうのです。「他院で矯正したのに戻ってしまった」と相談に来る患者さんも珍しくありません。逆に言えば、根本的原因が改善されなくても、装具で強制的に矯正すれば歯並びはきれいになります。ただし、装具を外したら元通り。病気の人が、強い薬を飲んでいる間は症状が出ないので治ったと誤解してしまうのと同じで、決して完治はしていないのです。

 MRCシステムで訓練した子は、顔周りにある筋肉のバランスが整い、顎の形も正しく成長して、最終的に歯並びも良くなるので、見違えるほど顔つきが変わります。矯正は整形ではなく、その子が持つべき本当の顔に戻してあげることなんです。

――矯正治療は長期間におよぶことがほとんどですが、子供が前向きに治療に取り組めるよう、親にできることはありますか?

 矯正は、子供の骨の成長期に合わせて行うことが多いのですが、その時期は心の成長期でもあります。治療中は、本人だけでなく家族の負担も大きいと思いますが、保護者の方にはぜひ、矯正もスポーツや勉強と同じく教育の一部ととらえていただきたいです。子供の毎日の頑張りをほめて、やる気を引き出してあげることで、本来の顔つきに戻った子が「あのとき頑張ってよかった」「努力は必ず報われる」と自信を持って言える大人に成長してもらえるよう、私も保護者の方と一緒にサポートしていきます。

先生の横顔

先生の趣味・マイブーム
富田先生のマイブームは、ずばり「治療で導入しているMRC システム」だそうです。非常に効果的な治療法ですが、歯の成長具合や骨格の変化は人それぞれ。そのため、治療を通してその経過やいかに治療を効果的に進めることができるかなどを分析し、研究することが一番の関心事だそうです。先生の実直で研究熱心な一面が垣間見えました。

SPOT INFO スポット情報

とみた矯正歯科クリニック

矯正歯科 小児歯科
所在地 青葉区荏田北3-7-9
TEL
アクセス
  • 江田駅より徒歩3分

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