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中学受験は未来への明るい助走期間

中学受験 私立中学校 公立中高一貫校 ビタミンママ
東京大学理科3類(以下東大理3)に現役で合格し、その後飛び級で大学院に進んだ三上貴浩先生(31)。東大医学部大学院の卒業のほうが、 医学部卒業より早かったという、類稀な経歴です。

東大理3に進んだのは、臨床医ではなく「老い」をテーマに細胞生物学の研究者になりたいという希望から。その夢をすでに小学生のときにもち、中学受験を経て、中・高・大と年代にあった勉強をすることで、夢を実現しました。

ユーモアと発想力、向上力にあふれる三上貴浩先生に、小学生時代の勉強方法や 中高での思い、そして今に至るまでのお話を伺いました。

【三上貴浩氏プロフィール】
岩手医科大学 解剖学講座人体発生学分野 助教、東京大学大学院医学系研究科分子細胞生物学專攻博士課程修了、東京大学医学部医学科卒業

学力や向上心には、教育環境が大切だから、学校選びは自分の将来につながる

中学受験 私立中学校 公立中高一貫校 ビタミンママ

中学受験のきっかけを教えてください。

もともと僕自身、中学受験がしたいという強い意思があったわけではありません。 どちらかというと校区の公立がちょっと荒れていて、勉強に集中できる環境ではないということで、両親が判断して中学受験の道を選びました。

勉強は嫌いではなく、4年生から通い始めた受験塾でもそこそこ上位でした。 小学校は公立でしたが、学校の宿題で簡単なものはの宿題に置き換えて提出していたこともありました。 先生が僕の意思を理解して、寛容にそれを認めてくださったという環境も今の自分につながっていると思います。

受験勉強法を教えてください。

自宅学習塾以外で1日3時間くらいかな。どんなに遅くても24時までには寝て いました。 勉強方法は、あれこれ多くのテキストには手を出さず、塾の復習だけをしっかりやることと、テスト後はすぐに解き直してわからないところがないようにしていました。

塾は楽しかったです。授業後もそのまま残って友達と一緒に勉強したり、 勉強の話をしたりで、帰宅が23時くらいになってしまうこともありました。 一緒に向上しようと思える友だちがいると、勉強が楽しくなる。 そういう意味で、教育環境は大切だと思います。

研究者となったいまでは、それこそ丸一日、20時間だって研究に没頭できますが、小学生の頃は集中力が持続しなかったです。 1時間ごとに10分とか、小刻みに休憩をとるようにしていました。 時間をみつけて、近所の友だちと野球や卓球をしたり、ミニ四駆で遊んだり。読書も好きでした。年齢や発達段階で勉強の仕方や集中力は大きく変わると実感しています。

大切なのは高いモチベーションをもつこと、タイミングを逃さずやり続けること

中学受験 私立中学校 公立中高一貫校 ビタミンママ

そして、迎えた中学受験結果はどうでしたか?

中学受験したのは、1月を含めて全部で5校。受験校は両親や塾の先生と相談して決めました。 結果は、第1志望は不合格で、あとの4校は合格で、進学したのは第2志望のA校です。

ギリギリまで両親が迷ったのが、A校と同じ第2志望と考えていた大学付属のB校でした。僕は小学生の時から医学部に進むことは決めていたのですが、B大学には医学部があったのです。 僕はどちらでもよかったのですけどね。

それでもB校を選ばず、ご出身であるA校を選んだのはなぜですか?

最終的な決め手は、大学受験の選択肢の広さでした。つまり、B校に進学すれば、B大学医学部への進学はほぼ決まります。そのほうがいいかな? とも思いましたが、ちょっとつまらないかな、とも。私が進学したA校には付属大学も医学部への切符も約束されていない分、幅広い選択肢があるので、努力も続けられると両親は考えたようです。

と、聞こえのいいように言ってはみたものの、私自身は、出身の学校なんていうものは関係ないと強く実感しています。「私は〇〇高校卒業です」などと自己紹介のときに言う人もいますが、過去の出身校なんてものはどうでもよいのです。過去よりも未来が重要で、今から自分がどのような仕事を成し遂げるかがすべてなのです。

その点で、いつも自分の出身校にこだわるのはナンセンスですし、大人になってからも過去の栄光にすがりつくように自分の出身校を言い続けるのは、非常にばかげたことだと思っています。

そして、実際に中学に進学した感想はいかがですか?

中高の頑張りって、将来に大きく影響するというのが感想で、僕の小6のときの選択は間違っていなかったと思います。

というのも、小学生のときは、ある意味で受験がゴールのような気がしていた時期もありましたが、本当は中学に入ってからが大切なんです。 中高時代にどれだけ頑張れるかが、将来に大きく影響すると感じています。

僕の場合は、頑張れた一つのきっかけが 定期テストの順位でした。当時僕の通う中学では、定期テストの上位者を廊下に掲示していたんです。入学直後のテストで、僕の名前が成績上位者に入って貼り出されたのを見て、次回も掲載されないと恥ずかしいなと思いました。これがモチベーションになって勉強を頑張ることができました。単純ですよね(笑)。

そして、もう1つ。中3のとき、父がイギリスに赴任になったんです。母と妹は一緒に渡英することを決めていましたが、僕はこのまま中高時代をA校で過ごしたかったんです。

当時住んでいたのが2世帯住宅で、1階に祖母がいたので食事面では安心でした。でも、いろいろなことに興味が出始める年代ですから、遊びまくるのも勉強するのも自分次第です。そんな環境で、メリハリをつけて自発的にしっかりやらなければならないという意識が芽生えた気がします。
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そして、大学受験。東大理3現役合格は努力だけでは難しいとよく耳にしますが、実際はどうなのでしょうか?

努力と半々だと思っています。実際に天才肌の人は周りにたくさんいましたが、僕はどちらかというと数学や物理よりも国語や英語、理科なら生物が得意という文系のタイプでした。数学はセンスが必要だと思いますが、文系科目は努力でカバーできる部分も多いと思います。好きではありましたが苦手意識があった数学に関しては、演習量を増やして克服する努力をしました。

そもそも、初めから東大理3だけを目指していたわけではないんです。学費の面から考えて、国立の医学部という目標はありましたがセンター試験の結果でどこの医学部を受験するかを決めようと思っていました。結果、東大を受けられる成績だったので受験したということだけなんです。

大学生活はいかがでしたか?

大学での勉強が一番楽しかったですね。小学生の時からやりたかった「老いに関する研究」が思い切りできるんですから、毎日が楽しくて、勉強が面白いと心から感じる日々でした。そう思うと、それまではこの環境を得るための勉強だったのかもしれません。つまり、中高の学び、もっと言うなら中学受験のベースがあったから、大学で好きな学びを得られたのだと思います。

大学では、4年生か5年生の時に大学院へ進学できる制度があり、それを利用して1年早く大学院で学びはじめました。でも、日本の医師国家試験は大学の医学部に6年間在籍しなければ受験できないので、大学院卒業後に医学部6年生になりました。

中高で頑張って、学びたい大学に進み、そして、興味ある仕事を真剣に楽しむ。中学受験は、単なるその通過点なんです

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中学受験を控えた親御さん、そしてお子さんにメッセージをお願いします。

親御さんは、お子さんの意思を尊重しつつ上手にコントロールするのが良いのかなと思います。 僕も親に発破をかけられながら中学受験を乗り越えた記憶があります。 まだ11歳、12歳の子どもです。 緊張や不安でメンタルが不安定になることだってあるし、寝不足で体調が崩れることだってあります。だから、模試や受験となると、実力を発揮できないときもあります。 思わしくない結果が出たとき、一番ショックを受けているのは本人ですから、親御さんまで一喜一憂するのではなく、長い目でお子さんの人生をサポートしてほしいですね。

小学生の皆さんへのメッセージとしては、中学受験は長い人生の通過点に過ぎません。進学する学校でどう頑張るかだけなんです。その先、自分が本当にやりたいことを考えながら学んでいく時期なんです。僕も第1志望が不合格だったとき、正直ショックでしたが、いまはこの道が最善だったと思っています。 肩の力を抜いて頑張ってください。努力は決して裏切りません。

中学受験 私立中学校 公立中高一貫校 ビタミンママ
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