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インタビュー 共学校

【校長インタビュー】希望の大学に入ることだけがゴールではない 大学・社会でも活躍できる人材に育てる。それが桐蔭の教育です

桐蔭学園中等教育学校校長 岡田直哉先生

桐蔭学園中学校・高等学校を卒業後、1984年中央大学文学部に入学。大学卒業後、桐蔭学園の国語科教諭に。学年主任、一貫教育推進部長を経て、2017年4月より第4代校長に就任。趣味は楽器の演奏と音楽鑑賞。座右の銘は「闊達」。

2019年度より
桐蔭学園中等教育学校は
共学校になります

2014年の創立50周年を機に「この後の50年」を視野に教育改革を進めている桐蔭学園。積極的なICT教育とアクティブラーニング型授業の導入による確実な土壌作りが進み、成果となって表れています。そして2018年の高校に続き、2019年、中等教育学校でも改革の肝ともいえる共学化が実現。更なる飛躍が期待される桐蔭学園中等教育学校「岡田直哉校長」にお話を伺いました。

―先生ご自身も桐蔭のご出身だそうですね。どんな学校経営を目指されているのですか?
以前の桐蔭はとても厳しい学校でした。生活面では公道でしっかりと女子部と男子部の校舎が分かれていて、そこをつなぐペデストリアンデッキは基本的に男子は使用禁止。登校時間も男子と女子とでは異なっていました。登校時の淡い恋なんていうのもなかったですね(笑)。勉強面でも課題の多さや試験の難しさなど、ついていくだけでも大変でした。自分が出身だから、桐蔭生の気持ちはわかるつもりです。そしてそれが原因で後ろ向きになる生徒がいるなら力になりたいっていう気持ちもあったから、本校の教師になった気がします。でも一方で、桐蔭の厳しさというのは、人格形成の中で大切だし、筋が通っているってこともわかって欲しい部分です。桐蔭出身の文化人や芸能人は多くいらっしゃいます。私のちょっと上にやくみつる氏がいます。優秀だけど個性的で筋が通っていますよね。
目指すのは、守るべき伝統は継続しながら、生徒に寄り添い、そして時代に即した教育を行う懐の深い学校づくり。これは、桐蔭出身の私だからできることだって、自負しています。

―共学化によってどんなことが変わるのですか?
中等教育学校に先駆け、高校は2018年の入学者から共学化を行いましたが、お互いにいい緊張関係が保てている気がします。生活面でいうと、男子だけだとともすればがさつでいいかげんさ(笑)が出て来るし、女子だけだとこれもやはり良くない面も出てくる。同じクラスで過ごすことで、男子だけだとゴミが落ちていてもそのままだったのが、女子がいるとそうはならない環境が生まれたり、お互いへの気配りの心が育まれたり、つまり当たり前のことに気づくんですね。
勉強面では、女子はコツコツ型が多いから小テストは女子の圧勝ですが、普段部活ばかりであまり勉強しなかった男子が試験前になるとものすごい集中力で勉強して定期考査で好成績をとる姿を目の当たりにして女子が焦るとかね。同じ空間にいることでいい刺激になっていると感じます。今は、男子対女子の割合が6対4なんですが、女子の方が存在感があるので(笑)、5対5くらいに感じますから、いいバランスなんだと思います。

桐蔭学園中等教育学校 岡田校長(横浜市青葉区)

― 教育改革の大きな狙いは、「アクティブラーニング型授業の強化」で、その効果を上げるための「共学化」と伺いました。
その通りです。教育改革は、2014年の創立50周年を前に「次の50年」を真剣に考える「改革プロジェクトチーム」を立ち上げたことに端を発します。私がチームリーダーとなり、みなで知恵を出し合い熟考した結果「自ら考え、判断し、行動できる」人間の育成をモットーに、受身でなく能動的な学習に転換するという方針が固まりました。これが「アクティブラーニング(以下AL)型授業」導入の理由です。そして、ALを成功させるための大きなキーとなるのは、男女の共修だと考えました。男女が互いに違いを認め、尊重しながらも意見を言い合い、そして協働学習をすることが目標です。
これまでの桐蔭は、男女への教育効率を考えて別学としていました。例えば、数学の一つの単元を教えるのでも、男子は難しい問題にチャレンジさせることでやる気を出しますが、女子は基本から着実に教えることで実力がアップします。こういった別学のノウハウを生かしながらも、真のALを展開できるのは桐蔭の最大の強みです。
2019年の中等教育学校の共学化に先駆け、2018年の入学者からすでに共学へ移行している高校では、男女一緒のAL型授業を行っています。ペアワークやグループワークなど、うまい具合に交ざり合っており、結果、放課後みんなで残って勉強をするという姿が見られるようになったのは、ALによる確実な成果です。進学面を含め、今後の成長が楽しみです。

桐蔭学園中等教育学校 岡田校長(横浜市青葉区)

―そのほかにはどんな改革を行っているのですか?
改革の柱は3つで、AL型授業の導入のほか、「探究」「キャリア教育」があげられます。「探究」はいわゆる総合的な学習で「未来への扉」という科目名をつけています。さまざまなテーマをもとに、自分で課題を見つけて、調べて、まとめて、発表することを通して、学び方を学びながら問題解決する力を養うことが目的です。最終的には新大学入試にも通用する論文を高2段階で書けるよう、これに向けて5年間のプログラムを組みます。たとえば、中学段階では「横浜や鎌倉へフィールドワークに出かけて自身で興味を持ったこと」とか、「学校の周りできれいなもの」とか、具体的なテーマを与えすぎず、具体的に何を選ぶのかは生徒の自主性に任せます。しかし、そのレポートは自分自身で作り上げることがマストですから、かなり真剣に取り組む必要があります。これを成長に応じて5年間繰り返すことで、今度の新しい大学入試に求められるポートフォリオにも対応できる力が身に付きます。ポートフォリオは「一定の意味や目的を持つ書類の束」という語源で、その根底には「完成品をひとつ作って終わりではなく、根本を活かしながら状況に応じて内容を差し替えられる力」という意味があります。つまりフレキシブルな応用力が求められるわけで、これは大学受験だけではなく、社会人にも必要とされる重要な力です。さらに、さまざまな面で目まぐるしい進歩を遂げる時代ですから、この力は、生涯学び続ける方法を習得することにもつながります。桐蔭が目指す「探究」の学びは生徒たちの将来に大きな力となると確信しています。

―さらにもうひとつの柱である「キャリア教育」についても教えてください。
一言でいうと「自分の人生をデザインする教育」です。学校生活そのものがこのキャリア教育ととらえていただいてもいいと思います。たとえば、毎朝「一分間スピーチ」を行うことで、自分の考えや夢をクラス全員の前で発表し、クラスメイトはその感想を書いて発表者に渡します。生徒間のコミュニケーション力が育つことで、ALもスムーズになります。
また、桐蔭には実に多くの卒業生がおり、さまざまな業界で活躍していますから、その方たちの講話を聴いたり、職業体験に行ったり、さらには仕事に密着して学ぶ「ジョブシャドウイング」を行ったりと、自分が生徒だったら楽しいと思うことを考え、さまざまな取り組みを行っていきます。

桐蔭学園中等教育学校 岡田校長(横浜市青葉区)

■Topics
岡田直哉校長の横顔
桐蔭学園の中学・高校で6年間を過ごしたという校長の岡田直哉先生。音楽が好きで吹奏楽部だったそうです。「本当はロックが好きでドラムがやりたかったんですが、当時の桐蔭はロック禁止だったんですよ。唯一公然とドラムが叩けるのは吹奏楽部だけだったから入部しました」と屈託なく笑います。ロックでなくても、音楽に触れることはものすごく楽しかったそうで、さらに、高校生になると今度はジャズにも興味が出てきたといいます。そして、音楽をずっとやっていきたいと思いつつも進路を真剣に考え始めたとき、人に教えるのが好きという思いから教師になることも視野に中央大学文学部に入学しました。教職課程をとり、町田の公立中学で2週間の教育実習を経験したことで、「自分は教師になるべき」って思ったそうです。そして桐蔭の教員になって30年が経ちました。「中高時代も足すと人生のほとんどが桐蔭。人生かけて生徒とともに走り続けますよ!」

SPOT INFO スポット情報

桐蔭学園中等教育学校

共学校
所在地 横浜市青葉区鉄町 1614
TEL
アクセス
  • 東急田園都市線「市が尾駅」・「青葉台駅」よりバス「桐蔭学園前」下車
  • 小田急線「柿生駅」よりバス「桐蔭学園」下車
  • 東急田園都市線・横浜市営地下鉄「あざみ野駅」よりバス「もみの木台」下車
  • 小田急線「新百合ヶ丘駅」よりバス「もみの木台」下車

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