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【大丈夫!コロナ禍の教育】Vol.1 休校中のモチベーションダウンと学校再開後の対策

溝上慎一(学校法人桐蔭学園理事長、桐蔭横浜大学学長・教授)

ビタミンママよりご依頼をいただいて、「大丈夫!コロナ禍の教育」と題する連載を執筆することになりました。

以下のようなZOOMイベントを開催しますので、ぜひご参加ください。

●開催日時
2020年6月20日(土)17:00〜18:00

イベントは終了いたしました。たくさんのご参加ありがとうございました。
今後開催予定のイベントはこちらをクリック(桐蔭学園トランジションセンターへリンクします)

●対象
全ての方

本セミナーでは、掲載第一回目の「休校中のモチベーションダウンと学校再開後の対策」についてオンラインでも簡単に解説し、その後ブレークアウトで参加者の皆さまの質問やコメントに答えていきます。 主に小・中・高校生の保護者を対象にしたセミナーですが、ご関心のある方は全国から、どなたでもご参加になれます。

このコーナーは、主に小・中・高校生の保護者を対象にして、いただいた質問や感想に答えるかたちでお話していきます。読者の皆さまと意見交換しながら、私も学んでいきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

連載第1回は、ご質問の多かった「休校中のモチベーションダウンと学校再開後の対策」についてお話しします。

※文中では主に「子ども」と呼んでお話ししていきますが、対象はおおよそ小・中学生から高校生くらいまでを指しているとしてお読みください。

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休校中のモチベーションダウンをどう見るか

学校の休校によって在宅生活・学習(ステイホーム)が長期にわたり、子どものモチベーションがダウンしている、どうすればいいかとご心配になる声を多く耳にしています。

テレビ等マスコミでも、このような子どもの状況が多く報道されています。他方で、世の中を見渡すと、コロナ禍以前と変わらずモチベーションを維持したり、いっそう上げたりしている子どももいることがわかります。

こちらはほとんど報道されていませんが、アンケート等によって明らかとなっています。大きな二極化が進んでいるというのが専門家の見方です。

ステイホームで落ちてしまっているモチベーションをどう戻すかと対処療法的に取り組んでも、本質的な改善には至りません。と言うのも、実はこの問題は、コロナ禍以前に子どもがどのように生活していたか、どのように学習に取り組んでいたかが大きく関連していると考えられているからです。

ステイホームの中でモチベーションを維持したり上げたりしている子どもは、コロナ禍以前から、規則正しく生活したり、課題に主体的に取り組んだり、うまくいかないことを自己調整したりしていました。

少し考えてみれば、大人でも教員でも、そして学校の取り組みでも同じことが起こっていることがわかります。

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再出発する

ステイホームになって環境や状況が変わっても、子どもの物事に取り組む姿勢はそう変わるものではありません。ステイホームによって、もともと持っていた力や取り組み方が可視化されただけと言えます。

今後、ますます変化の激しい、問題解決型の社会となっていきますので、ステイホームで求められたモチベーション維持や物事への取り組み方は大人になっても、年を取っても、一生涯求められると理解すべきです。

今可視化された現実をむしろ早期発見と見なして、ここから再出発して改善していく努力を促すことを私は助言したいと思います。後々「あのときは大変だったけど頑張ったね」と懐かしく振り返られればいいですね。

もちろん、うまく過ごせている子どもの場合には褒めてあげ、引き続き頑張るように声をかけてあげてください。

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生活/学習のリズムを作ることから始めましょう

年齢的に小学生中学年くらいまでのお子さんに対して、あるいはそれ以上の年齢のお子さんでも、モチベーションが落ちている、夜遅くまで起きている、勉強もいい加減にしか取り組んでいないという場合に対しては、まずは生活のリズムから作っていくことが重要です。

早寝早起きをして、決められた時間に食事をとる。これで規則正しい生活のリズムを作ることができます。

次に学習です。学校から出されている宿題や課題を、決まった時間に、目標とする学習時間を30分や1時間などと決めて取り組むことです。欲を言えばきりがありません。まずは学力やふだんの学習状況から考えて、最低の基準を定めて、その目標や課題を毎日「達成」していくことが重要です。

たとえば、カレンダー上に、達成すれば○とか、取り組んだことを書き出して、可視化していくと良いとよく言われます。

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理論的な説明

自主性や主体性の弱い子どもは、一般的に与えられること、求められることが十分にできません。それができない子どもに、強く自主性・主体性を求めすぎると、かえって逆効果です。

世の中には、好きなことには取り組むが、与えられること、求められることには十分に取り組めない子どもがいます。

このような子どもの中には、ユニークな力や世界観を持った人がいて、時に大化けして傑出します。しかし、その確率はきわめて低く、言わばバクチのようなものです。ねらって育てられるものではありません。

ねらって育てられるのは、まず与えられること、求められることに取り組める子どもを育てることです。その上で、徐々に子ども自身の取り組み方を加えていくことです。それが後々、自主的・主体的な態度と呼ばれるものに繋がります。これは人の成長・発達の基本的な機制(メカニズム)でもあります。

歌舞伎やお茶などの伝統芸能の世界では、歴史的に「守破離」と言われてきました。まずは伝統を「守」る(基礎として与えられるものを習得する)。次いで、それを「破」って「離」れ、その人の個性的な技芸に仕上げていく。

人の育ちも伝統芸能も、基本的な成長・発達の機制は同じですね。

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information

  • 中高生・大学生向けに、「在宅を主体的に過ごすポイント、かつ心理学を学ぶ」(桐蔭学園トランジションセンター企画オンデマンド講座)を提供しています。今回の内容の発展版となるものですが、ご関心があればご覧ください。

    桐蔭学園トランジションセンター

  • 桐蔭学園トランジションセンターでは、ビタミンママと共催で、保護者の方々が参加できる親子で「お子様の主体的な態度を育てる」ワークショップを近々開催します。ご都合がつけば是非ご参加ください。

アフターコロナ コロナ禍の教育 学校再開 桐蔭学園 モチベーションアップ溝上慎一(Shinichi MIZOKAMI, Ph.D.)

学校法人桐蔭学園 理事長、桐蔭横浜大学 学長・教授、学校法人河合塾 教育研究開発本部 研究顧問

プロフィール
1970年生まれ。大阪府立茨木高校卒業。神戸大学教育学部卒業、1996年京都大学助手、2000年講師、2003年准教授、2014年教授を経て、2019年4月より現在に至る。京都大学博士(教育学)。

溝上先生のさらに詳しいプロフィールはこちらから

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