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連載記事 午後の散歩道
山田りかのハートフルエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.40

Mother’s Movie で ハート・ウォーミング◎

『午後の散歩道』に、ようこそ!

暦の上ではもう『立春』(今年は2/4)。なのにこの散歩道を行き交う人々の着ぶくれ度合いはどうだろう。 葉っぱの落ちた街路樹に止まるスズメまで まん丸にふくらんでいる。
買い物と幼稚園の送り迎え以外は、一歩も外に出たくない(-_-)
と、強い決心でコタツと同化しているアナタのために、今月はホッコリと映画の特集をお送りしよう!

今回オススメする映画は、『母と娘』を描いた珠玉の名作3本。
子育て世代のママ達にとっては、「母」の視点と「娘」の目線、どちらからも観て楽しめる、そしてちょっと考えさせられる作品を集めてみた。

ママ、大好き!! 強い絆で結ばれた、母と娘の物語◎

1. 愛と喝采の日々 (1977年 アメリカ) 

出産して母になるか、仕事を続けてキャリアを積むか?
それは今も昔も、女の人生のなかで最大の選択だ。
現在では、どっちも手に入れてみせる!と奮闘するキャリア・ママも大勢いるが、その道は 私の想像を超える、ハンパない険しさがあるに違いない。

かつてNYバレエカンパニーでスター候補生だったディーディー(シャーリー・マクレーン)は、同じカンパニーのダンサーと恋に落ち、スターへの道を諦めて、3人の子どもを育てながら、バレエ学校を営んでいた。
一方、ディーディーとスターの座を争っていたエマ(アン・バンクロフト)は、その後カンパニーのトッププリマとなり、名声を得ていた。

ディーディーの才能豊かな長女エミリアがエマに見出され、プリマへの道を歩み出した時、かつて競い合った2人の女が、それぞれどんな思いで人生を過ごしてきたのかが、明らかになってくる。

白鳥の湖は、永遠の憧れ♡

独り身の私としては、忍び寄る老いと闘いながらステージに踏みとどまるエマの哀愁に、いやおうなく感情移入してしまうのだが、自分の夢をあきらめて、平穏で温かい家庭を築いてきたディーディーの切ない思いにも、グッとくるものがある。

このシビアな女2人が、若くてキラキラした娘のエミリアの前では、まるで骨抜き女になってしまうところが面白い。
娘に対する愛と、親友の娘に注ぐ愛情の温かさが、この映画の一番の魅力。
物語の合間に、かつてソ連からアメリカに亡命した、熊川哲也も真っ青の世界的バレエダンサー、ミハエル・バシリニコフの見事過ぎるジャンピングが拝めるのも、楽しみの一つだ。

2. マンマ・ミーア (2008年 アメリカ) 
劇団四季でも大ヒットロングランとなったミュージカルの映画化作品。
誰もが どこかで聴いたことがあるABBAのヒット曲をちりばめた、ハッピーミュージカル♪

物語の舞台は、エーゲ海に浮かぶ小さな島。
そこで小さなホテルを切り盛りしているのは、シングルマザーのドナ(メリル・ストリープ)。明日は1人娘の結婚式、というその日、彼女は青春時代の親友である、2人の親友を招いていた。

一方、母の愛に育まれ、愛する青年との結婚を控えた娘ソフィーは、親友2人と、母の若い頃の日記を盗み読み、自分の本当の父親かもしれない男性が3人もいる!という事実を知る。

エーゲ海の美しい景色が楽しめる『マンマ・ミーア』♪

ちょっとばかり身持ちがゆるかった母の青春時代と、その後 母娘が支え合い、築いてきた愛情の絆が、ABBAの景気の良い曲に乗って、能天気に、時にはちょっぴり切なく描かれている。

アカデミー女優のメリル・ストリープが、袖にビラビラのフリンジがついたディスコスタイルで、

“Gimme! Gimme! Gimme! A man after midnight!”
( 夜中になったら 男をちょうだい!)
と、それはもうガンガンに熱唱する姿は、なかなかの見ものだ。

私は以前、会社の同期女子4名で、劇団四季の同名舞台を観に行ったことがある。
昔なつかしのノリノリナンバーと、1人娘を手塩にかけて育ててきた母親の、青春時代の思い出……。笑って泣いて、歌って踊って。会場は熱気と感動の嵐!
舞台が終わると、私達は4人そろって泣き笑いの顔で、スタンディングオベーションを送ったものだ。

舞台の制作を手掛けた女性チームが、引き続き映画の制作も行ったことで、実際のエーゲ海の美しさと 舞台の楽しさが、この1本の映画のなかに詰まっている。

3. はつ恋 (2000年 日本) 

母娘を描いた名作映画、最後の映画は私が本当に大好きな日本映画『はつ恋』。
古い映画なので、もうレンタルショップには在庫がないかもしれないけれど、TSUTAYA ONLINEではまだ扱いがあるようだ。

17才の聡夏 (田中 麗奈) の夏休みは、初めての失恋と母・志津枝 (原田美枝子) の突然の入院で始まった。思わしくない母の病状に動揺する聡夏は、ある日 母が大切にしているオルゴールの中から、古い手紙を発見する。

オルゴールの中に隠した、昔の恋……。

それは昔、志津枝が父と結婚する前に別れた、ある男性への切ない思いを綴った手紙だった。手紙を出すことなく、父との家庭を築きあげた母。
聡夏は、その男を探すため、手紙の住所を頼りに、長野行きの高速バスに乗った。

聡夏が探し当てた志津枝の昔の恋人・藤木( 真田広之) は、24年の月日を経て、すっかりうらさびれた中年となり、聡夏を失望させるのだが、この藤木と聡夏のやり取りが、妙にリアルで笑わせてくれる。

聡夏の奮闘により、昔 愛した男と、病床で再会する志津枝の はにかんだ様子がとても愛らしく、観る者の胸を熱くする。
母になっても、病に倒れても、恋した思い出は ずっと心のなかに生きているんだな、と私達に気づかせてくれるのである。

映画とは関係ないのだが、これを書いていて、私はなぜか、歌舞伎役者・市川海老蔵の妻・小林麻央さんのブログ『KOKORO』を思い出してしまった。
病床のなかで、日々の暮らしや 家族への思い、同じ病と闘う人達へのエールを、素直に綴る彼女のページは、いつも温かさと愛情に満ちている。

私がお奨めするこの映画『はつ恋』に散りばめられているのも、大切な人への不器用だけれど、真っ直ぐな愛情だ。
決して目に見えない、時には少し面倒くさいこともある、家族への愛情。
それが私達1人1人を結びつけ、世界を支えている。
結び目の中心にいるのは、お母さんだ。

最近観た、母娘映画の傑作『湯を沸かすほどの熱い愛』オススメです!

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