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連載記事 午後の散歩道
山田りかのハートフルエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.31

Enjoy♪ Boy’s ムービー!

『午後の散歩道』に、ようこそ!

街路樹の緑がキラキラ輝く季節。 散歩道をゆく人々も、上着を脱いで軽やかな服装になりました。
いろんなことが始まって、それがちょっと落ち着いてくる5月。
「な~んか、疲れちゃった……」なんて、カウチに寝そべっちゃう そこのアナタ!
どうせだったら、見て元気になる男の子映画でもいかがでしょう♪
「え!? 壁ドンのあごクイ?」
う~ん、胸キュン映画も捨て難いが、今月は こどもの日月間ということで、小学生男子が主役のBoy’s ムービーを ご紹介しよう。

男の子ムービー♪ どれも名作だ☆☆☆

1. リトルダンサー (2000年 イギリス)

イングランド北部のうらさびれた炭鉱の町に生まれ、ボクシング・ジムに通う少年ビリーが、ふとしたきっかけでバレエの虜になり、バレエダンサーを夢見て 心のままに踊りまくる、少年サクセス ストーリー。

子どもの頃、何になりたかった?と聞かれて、すぐに答えられる人って、案外少ないんじゃないだろうか? 私は小学校の卒業アルバムに『女流作家』と書きながら、30前まで、それをすっかり忘れて生きてきた。 だから この映画のビリーみたいに、子どもの時に、まるで雷に打たれたみたいに「なりたいもの」が現れた瞬間って、どんな感じなのか、追体験したいのである。

「うわぁ、バレエやりたい!!」
突然、激しくそう思い始めたビリーは、父親に隠れて バレエ教室に足を踏み入れる。
可愛いチュチュを着た女の子達のなかで、借りてきたオスの子猫みたいに、おっかなびっくりバレエの基本ポジションを踏むビリーが、なんとも可笑しい。

男の子がバレエなんて、冗談でしょ!?

バレエ映画というと、王子様みたいな男の子を想像しがちだが、この子は男臭~い炭鉱夫の父と兄に囲まれて育った、武骨な男子。 不器用に手足を動かしながら、ひたむきに練習するビリーに、観客はどんどん引き込まれていく。

彼の才能を最初に見出すのは場末のバレエ教室の校長・ウィルキンソン夫人。
彼女はビリーのためにロンドンのバレエ学校へ行くことを勧めるが、炭鉱夫の父は猛然と反対する。

映画はビリーの夢を追うだけでなく、炭鉱の町が抱える問題や、そこに生きる人々の心情をきちんと描いている。 彼の夢を実現させるために、いろんな決断をする大人達の姿と、次第に才能を開花させてゆくビリーのはつらつとした姿。 その両方に胸が熱くなるのである。

しかしこの映画最大のオススメPOINTは、なんといってもラストシーン。
大人になったビリーを演じるのは、美しく力強いダンスで世界を席巻した、あのアダム・クーパーなのだ!
「へ? 誰それ??」と首をかしげるアナタ、Let’s 検索!!
舞台袖で出番を待つアダムが、裸の肩甲骨をグリンと動かすシーンを見るだけで、気持ちがグーンと上がること、間違いナシ!!!

犬と少年の合わせ技、たまりませんっ♡ あ、コレ映画とは無関係^^;

2. ものすごくうるさくて、ありえないほど近い (2011年 アメリカ)

なんだかやけにクドイ題名だなぁ、と思ってしまうこの映画、実は『リトルダンサー』を撮ったスティーブン・ダルドリー監督の作品である。
ニューヨークの9.11事件で父親を喪った少年の、心の再生を描いた感動作。

人とのコミュニケーションがうまく取れない少年オスカーは、父親と「調査探検」という、一風変わった遊びをしながら、人との関わりを学んでいた。
しかし彼は9.11のテロに突然父を奪われ、遺体のない棺を埋葬した母と衝突して心を閉ざす。
そんなオスカーが、事件から1年後、クローゼットで父が残した鍵をみつけ、鍵の謎を解き明かすために「調査探検」を再開する。

唯一の手がかりは、鍵が入っていた封筒に書かれた「ブラック」という名前。
オスカーは閉じこもっていた家を飛び出し、ニューヨーク中のブラックさんに会いに行く。

寝ている時は天使、起きたら怪獣……それが男の子。

物語は、オスカーの目を通して、9.11犠牲者の遺族をはじめとする、人々の心の痛みや悲しみ、そこから立ち直ろうともがく彼らの姿をみつめていく。

オスカーの亡くなった父親役はトム・ハンクス、息子に心を閉ざされてしまう母親役はサンドラ・ブロック。
心の不安定な息子を持つ両親の思いを、この二人の名優が とても誠実に見せてくれる。

最後の最後に、「うぁぁ、やられたぁ……」と思わせてくれる、ハンカチ必須の少年映画である。

3. 6才のボクが、大人になるまで。 (2014年 アメリカ)

昨年のアカデミー賞で、その異色の撮影方法が話題になったBoy’sムービー。
何が異色かというと、6才の1人の男の子が18才になるまで、他の役者を使わずに撮り続けた家族の映画、ということ。つまり撮影期間12年!

最初に作品を知った時は、
「えーっ! どれだけフィルム使ったの!?」
とタマげたものだが、撮影は1年のうち数週間ずつ。
両親の離婚から それぞれの生活の何気ないシーンを、毎年少しずつ積み重ねていくという、気の長~い撮り方をしているのである。

こんな子がすぐ大きくなっちゃう!こっちがトシ取るハズだワ(>_<)

広いアメリカの片隅に住む少年が、ワンシーンごとに少しずつ成長していく姿を見るのが、とっても楽しい作品だ。

まだ話し方も幼い男の子メイソンJr. が、次のシーンでは生意気な口を聞き、親に反抗することを覚え、髪型を気にする思春期の男子になっていく。
うっすらと口髭が生えたメイソンを見た時は、
「あらぁ~、この子ったら、こんなに大きくなっちゃって!」
と、まるで親戚のオバサンのような心持ちで 見守ってしまうのである。

映画はメイソンの成長を、抑えた演出で淡々と追っていくのだが、心が動かされるのは、子どものために必死で頑張る母親と、離れていても 父親として子どもを見守り続ける父親の姿だ。

メイソンが18才になり、親元を離れてゆくシーンでは、撮影期間の12年分、ドーンと年を重ねた母親の演技が胸を打つ。
私は子どもを持たない極楽トンボな独身女だが、苦労して育てた子どもが巣立つ時は、きっとこんな気持ちになるんだろうなぁ、と、嬉しいような寂しいような、悔しいような誇らしいような、子どもを育てた母親にしかわからない複雑な感情を、少しだけ共有させてもらった。
( 母親役のパトリシア・アークエットは、本作でアカデミー賞助演女優賞を獲得した)

いつまで手ェつなげるかなァ。

以上、子どもの日月間に観たいBoy’sムービー3作、いかがでしたか?
男の子っていう生き物は、すぐに傷ついちゃう繊細な心と、転んだってツバつけときゃ治るさ!という安心感が同居する、不思議な存在。
ママやパパ達の いっぱいの愛情と、うごめく社会のパワーを吸収して、どうかカッコイイ男に成長してほしい!
こわがらないで大丈夫◎
「カッコイイ男」のタイプは、とーっても幅広いんだから~(笑)

映画『6才のボクが…』のメイソン少年。みるみる大きく成長しちゃう!

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