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連載記事 午後の散歩道
山田りかのハートフルエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.24

散歩道の動物たち

『午後の散歩道』に、ようこそ!

や〜っと 9月になりましたねェ。
この夏は厳しかった(>_<) ……なんて過去のことみたいに言っているが、私はまだ8月の真っただ中にいる。 この原稿がUPされるのは9月1日。 その頃には もう少し涼しくなっていることを願いながら、パソコンに向かっているのである。 この記録的な猛暑により、昼間の散歩道は閑散としている。 猫もいなけれゃ犬も通らない。 そりゃそうだ。地面に卵を落としたら、そのまま目玉焼きができちゃいそうな暑さだものね。 暑すぎるニャー。

あ〜、何か通らないかなぁ。動物……。
ということで、今回は、私の周りで体験・目撃した人の動物話。いってみよう〜!

チョっちゃんのお母さん
児童文学時代の友人・H子さんの話。 
それはもうだいぶ前のこと。郊外の広い家に住んでいたH子さんが、庭に生い茂った雑草を夢中になって引っこ抜いていると、茂みの奥でピィピィと鳴く声が聞こえてきた。 ん?と思って雑草を掻き分けてみると、なんとスズメのヒナが助けを求めて鳴いていたのである。
「アラララ! 大変!!」
どうやらヒナは、庭の木の枝に作った巣から落ちてしまったらしい。
親鳥を求めてピィピィと鳴くスズメのヒナを見下し、H子さんはしばし呆然としてしまった。
身近な野鳥、スズメ。 よく見るとベッピンさん♡

「あぁ、それはもう巣に戻しても、ダメだよ」
困り果てたH子さんは、野鳥に詳しいSさんに助けを求めたのだが、返ってきた答えは厳しいものだった。
Sさんによると、巣から落ちたヒナを元の巣に戻してあげても、親鳥は人間の匂いに警戒して、ヒナを残し 巣を離れてしまうという。

「そんなこと言ったって、見捨てるわけには いかないわよぅ」
心優しいH子さんは、Sさんから手厚い指導を受け、その日から数週間、小松菜やボレー粉で「すり餌」を作り、親鳥さながら、せっせとヒナにエサを与え続けた。

H子さんの献身的な保護の甲斐あって、ヒナはある日、無事に巣立っていった。
そして巣立ってH子さんの家の庭に住みついた。

「チョっちゃ〜ん!」
H子さんが庭先で声をかけると、スズメのチョっちゃんは、チョッチョッ!と鳴きながら、H子さんの肩や頭に止まる。

H子さんが手に持った小皿のご飯粒を、お腹いっぱい食べると、パタタッ!と羽音を立てて庭木の茂みへと飛んでいく。
そんな心温まる交流は、チョッちゃんが親鳥になるまで続いたそうだ。

水浴びスズメ。 ※コレはチョッちゃんじゃありません。

「それからもう、チョっちゃんは来ないの?」
「んー。 きっとチョッちゃんもお母さんになって、子育てで忙しくなっちゃったのねぇ」
H子さんは丸い顔に真ん丸の笑顔を浮かべてそう言った。
実はH子さんは 一昨年 亡くなってしまったのだが、きっと来世でチョッちゃん一族から、宝物があるほうの葛篭(つづら)を貰っているんじゃないかなぁ、と、H子さんの笑顔を、懐かしく思い出すのである。

お散歩アンドリュー
都心近くの住宅地に住むA実ちゃんの話。
といっても、これはA実ちゃん自身の体験じゃない。
A実ちゃんが仕事から帰宅し、部屋で着替えていると、待ちかねたようにA実ちゃんのお母さんが部屋まで追いかけてきた。
「今日、大変だったのよぉ」

というわけで、ここからはシニア世代のA実ちゃんママの体験談。
近所まで買い物に出かけた帰り道、A実ちゃんママは道端に見慣れぬ動物が佇んでいるのを発見した。

「ん? カメ!?」
そう。A実ちゃんママが発見したのは、亀。
それもミドリガメみたいにちっちゃなヤツじゃなく、小山のような甲羅を持った、ランドセルぐらいに成長したリクガメだった。
リクガメって、こんな子。 おっきい!

リクガメは、通行人を見ても顔色一つ変えず、四本の足でのんびりゆったり歩いている。

「あなた、ちょっと来て!」
A実ちゃんママは、家でゴルフ中継を見ていたA実ちゃんのお父さんを動員し、
警察に届けるか、保健所に連絡するか…と二人で話し合いながら、住宅路を悠然と歩くリクガメ君の様子を見守った。
「なんだか甲羅が乾いてるなぁ」
A実ちゃんパパは、乾ききったカメの甲羅を見て、家から天然水のペットボトルを持ち出し、カメ君の甲羅にかけてあげた。

「ぬむー。気持ちいい〜」
と言ったかどうかは不明だが、カメ君は一瞬目を閉じて涼を楽しむと、今度はゆっくりと方向転換しはじめた。

「お! 逆方向に歩きだしたゾ!」
その頃には、通りすがりの人々が写メを撮ったりツイートしたり、結構な人だかりが出来ていたという。

「あ! その亀、Cさんちのペットだわ」
ご近所の奥さんが途中で教えてくれた通り、カメ君はA実ちゃんのご両親を引き連れて、亀の歩みでCさん宅の玄関前へと辿り着いたという。
コレはウミガメの誕生。 みんなで守ろう〜!

「あら。アンドリュー、またお散歩してたのね」
Cさんは慣れた様子で「うんしょ!」とカメのアンドリューを家に上げると、A実ちゃんのご両親に「ウチの子がお世話になりました」と頭を下げたという。

Cさん宅では、アンドリューが家から逃げないように、ネットなどで防御策を講じているのだが、彼は 家人の目を盗んで、度々一人歩きを楽しんでいるそうだ。

「でも必ず帰ってくるから、安心して待ってるんです」
Cさんはアンドリューの育ての親らしく、物事に動じない性格らしい。

それ以来、A実ちゃんママは数度にわたり、アンドリューのお散歩を目撃しているが、迷いのない彼の歩みを確認すると、そのままにしておく、ということである。

以上、身近な人々の動物話、いかがでしたか?
私は以前、東横線の車内で、オカメインコを肩に乗せて乗車している おじさんを見たことがある。 犬や猫はキャリーケースに入れなければ乗車できないけれど、小鳥はどうなんだろう?

乗ってみたい動物 BEST3! 乗られるほうは迷惑…だよねー(笑)
この散歩道も、涼しくなったらいろんな動物が顔を見せてくれるかしら。
それを楽しみに、また英語の勉強 頑張ろうっと!

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