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連載記事 午後の散歩道
山田りかのハートフルエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.16

関西紀行 〜大阪・京都の横丁巡り&ハリーポッター♪〜

『午後の散歩道』に、ようこそ!
ああ、早く春にならないかなぁ。 そんなつぶやきが、この散歩道を行き交う人々から聞こえてくる。
私も、寒さに縮こまるのはもう飽きた。 いっそ南の島にでも逃避行してしまおうか。でもそんなお金ナイ! じゃあせめて少ない予算の中で、夢の世界へひとっ飛びしようじゃないか♪
というわけで 私は関東を飛び出し、友達Sちゃんと ハリーポッターに会いに関西へと旅立った。

飛行機から見た富士山。雲の帽子をかぶってる。

「夢の国なら、浦安に立派なのがあるじゃない」
というご意見もあるだろうが、浦安の夢の国は、今 アナ雪イベントの真っ最中。 オトナ女子の私達は、この寒いなか、行列や場所取りに何時間も費やす気力と体力は持ち合わせていないのだった。

もともとSちゃんと私は、2001年公開の映画『ハリーポッターと賢者の石』を観て以来、2011年のシリーズ最終作『死者の秘宝Part2 』までの全8作を共に鑑賞してきた<ハリポタの友>。
私達は、ホグワーツ魔法学校の3人組(ハリー・ハーマイオニー・ロン)の成長を見守ってきたマグル(人間)の伯母2人、という感覚なのだ。

昨年の夏、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでハリポタの大々的なアトラクションができると聞いた時には、「絶対に行こう♪」と約束したのだが、オープン当初の大混雑を避け、「一番空いてる頃を狙って」今回の大阪行きとなったのである。

旅に出たのは先月の下旬。
せっかく関西へ行くのだから、大阪や京都の観光地も回ろうじゃないか、ということで、2泊3日の旅行となった。 新聞広告でみつけたJALの格安ツアーは、羽田から大阪まで1時間ちょっとの空旅だ。

初夢で拝むことができなかった富士山を上空から眺め、あっという間に大阪伊丹空港へ到着した。

ビルの真上を飛行して伊丹空港へ。迫力満点!

発着便が指定されている格安ツアーゆえ、伊丹到着は午後2時半。
私達は預けた荷物をピックアップして空港バスに乗り、通天閣のある天王寺駅へ直行した。
旅行計画の1日目は、<ベタな大阪を楽しむ>。

通天閣は、東京タワーやスカイツリーに慣れ親しんだ関東人の目で見ると、ものすごく低い。 が、巨大なふぐの提灯が浮かぶド派手な商店街・新世界から、日立グループの広告をドーンと掲げてそびえ立つ通天閣は、関東にはない独特のパワーと明るさがあり、見上げるだけで元気になれた。

このド派手さは、関東にはないパワー。

「大阪に来た!って感じがするねー」
通天閣から道頓堀に移動し、川越しにグリコの巨大看板を仰ぎ見る。
メガネのピエロおじさん・くいだおれ太郎の人形を眺めながら たこ焼きで小腹を満した。
でも大腹はちゃんとした所で食べよう、と私達は道頓堀の裏手に控える『法善寺横丁』へと足を向けた。

 包丁一本、サラシに巻いて〜♪

昭和時代にこの曲を聴いて育ったオトナ女子二人連れ。
ここは少し前に女優・尾野真千子がNHKドラマで主役を演じた『夫婦善哉』の舞台である。 横丁の懐にある水かけ不動さんは、この界隈に住む人々の心の拠り所。 願いを込めてかけられる水に、青々と苔むしたお不動さんが印象的だ。

法善寺のお不動さん。地元の人々が次々とお参りしていた。

さて。旅の最初の晩餐は…。 ソース二度づけ御免の大衆串カツもいいけれど、ここはちょっと上品に、小洒落た和食店をチョイスした。

スマホで探し出した『法善寺串揚げ 吟音(おとね)』は、上品ながらもリーズナブルなお値段で美味しい串揚げが味わえる、「当たり」のお店。

吟音の料理。一口サイズの洒落た味わい。

吟音コースはカリッとした串揚げ12本に こんぶ出汁のあっさりした茶漬けとデザートがついて4200円。「コレでナンボ?」が常套句の大阪人にも愛される、良心的な店だった。

食通の街・法善寺で夕食を堪能し、ホテル京阪ユニバーサルシティにチェックインしたのは午後10時半。 ホテルの計らいにより、私達は 予定していたスタンダードツインから スーペリアルツインの部屋に案内された。

「シーズンオフって、お得だね♪」
ユニットバスじゃない、広いお風呂でゆっくりと冷えた身体を温め、私達は明日の旅に備え、眠りについた。

冬の関西旅行、二日目のテーマは<京の味と文化に触れる>。
この日はSちゃんの知人が女将を務める祇園の和食店でランチを予定していたため、午前中に回れるだけ回ろう、と朝から電車を乗り継いで阪急電鉄の四条河原駅へ向かった。

昨年リニューアルオープンした京都国立博物館では、あでやかな如意輪観音や 顔の中にもう一つの顔がある宝誌和尚立像など、他では見られない貴重な文化遺産の数々を鑑賞。
博物館のほど近くにある真言宗智山派の総本山・知積院で、長谷川等伯の障壁画を見た。 院内にある庭園「利休好みの庭」は、残念ながらシーズンオフの補修中で池の水が抜かれ、工事現場のようになっていた。

長谷川等伯の障壁画(複製)。本物は色褪せ、ろうたけた美しさ。

さて文化財鑑賞の後は世界文化遺産の和食!ということで、私達はタクシーに乗り、祇園へとやってきた。
平日の昼間の祇園は、人影もまばらで しんと静まり返っている。 ちょうど霧雨のような雨が上がった時で、しっとりと濡れた石畳や路地に並ぶ店々の板塀に、なんともいえない風情がある。

雨に濡れた祇園の町並み。

『祇園 もりわき』は、そんな祇園の町並みにひっそりと暖簾を掲げる小さな割烹料理店だ。
祇園の割烹、と聞くと「一見さんお断りなんじゃ…」と少々怖気づいてしまうのだが、ランチのコースは3500円からという一見さんもOKの店である。

黒い漆の盆に、箸置きは つぼみを付けた桜の小枝。 器には板前の大将が精根込めて作った料理がぽっちりと盛られ、一品一品が絵のように美しい。

祇園もりわきの美しい膳。はんなり、たおやかな 世界文化遺産!

聞けば女将はもともと千葉県の出身で、東京のイタリア料理店で給仕をしていたとのこと。 給仕の道を更に学ぼうと単身京都に渡り、有名料亭で修業を積んでいた時に、京都生まれの今の大将と知り合い、結婚後二人で力を合わせて、祇園の町で店を構えたのだという。

平日の昼間ゆえ、舞妓はんに遭遇する幸運には恵まれなかったが、凛とした女将との語らいと はんなりたおやかな京料理は、旅の思い出として心に残るものだった。

ランチの後は、祇園から八坂神社を越え、秀吉の妻・ねねが眠る高台寺を散策。 ねねは秀吉の死後 この寺に居を構え、ひと山向こうにある秀吉の墓所へ、毎日墓参したという。 終の棲家を夫の墓所から山一つ隔てた地に定めた、というのが大人の夫婦の事情を反映しているようで、なかなか興味深かった。

高台寺、ねねの庭。水面に見立てた白砂が美しい。

京都から大阪の西九条へ戻ってきたのは夜9時過ぎ。
JRゆめ咲線で私達を迎えてくれたのは、例の魔法学校3人組だ。

JRゆめ咲線のハリポタトレイン♪ 魔法気分、全開!

そう。この旅の一番の目的はハリーポッター☆
関西旅行の最終日は、魔法の国を目指して爆走することから始まった。

「開門と同時に、走るっきゃない!」
ハリーポッターのアトラクションを並ばずして見るには、それしかない。ハリポタ体験者である関西在住の友に教えられ、私とSちゃんは開門の一時間前から、ゲートに群がる人の輪のなかにいた。

「あたし達、このなかで一番年上じゃない?」
周囲にいるのは10代・20代の若者ばかり。しかも「割り込み ご法度!」の関東と違い、並んだ行列の後ろから 人がわんさか横入りしてくるではないか。

「とにかく転ばず、押し倒されずに目的地まで」
園内MAPでアトラクションの位置を頭に叩き込み、各馬一斉にゲートイン! 定刻の10分前に門が開き、Sちゃんと私は若者の群れに混ざり、魔法の国へと走り出した。

あの魔法学校まで、走れ〜っ!

猛然とスタートダッシュを見せたのは昔、陸上の短距離選手だったSちゃんだ。 が、齢を重ねたSちゃんに往年の持久力はない。 日頃、11階にあるオフィスまで階段上りを課している私は、途中でSちゃんを追い抜き、若者の群れと共に魔法学校の通用門まで走り切ることができた。 ハアハアと激しい息遣いで小走りしてくるSちゃんを待ち、映画のセットと見まごうばかりのホグワーツ魔法学校へと入っていった。

魔法学校の内部に設置されたアトラクション、『ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー』は、横並び4人乗りの乗り物。 そこに辿り着くまで、喋る肖像画やランブルドアの校長室など、映画でおなじみのシーンを再現した部屋を通っていくのが楽しい。
地下のロッカー室でケータイやカメラなどを預け、いよいよ待ちに待ったアトラクションへ〜!!

……というところでUSJからネタバレ禁止の指示が出た(>_<) 残念だが、アトラクションの内容はアナタの目で確かめるしかないようだ。 体験した者の感想としては、浦安のどのアトラクションよりも……凄い!面白い!!大迫力!!! とだけお伝えしておこう。 アトラクションの所要時間はたったの5分。しかしこの5分間に興奮と感動を味わった私達は、わざわざ大阪まで来た甲斐アリ、と思うことができた。 外へ出ると、行列の最後尾には240分(4時間)待ちのボードが出ていた。 目的を果たした私達は、生姜とシナモンが効いたバタービールを飲みながら、よく出来た魔法の国の町並みをそぞろ歩いた。 軒を並べる土産物屋には、魔法の杖や白ふくろうのぬいぐるみなど、物語のコラボ商品があふれるばかりに並んでいた。 天井まで積まれたオリバンダーの杖。1本3500円。高っ!

私達は魔法の国を後にして、ランチを挟んでパーク内を一回り。
シーズンオフの園内は客足まばらで、ハリーポッターが出来るまでは人気№1を誇っていたスパイダーマンやタイムトラベル映画の名作バック・トゥ・ザ・ヒューチャーのアトラションを並ぶことなく楽しむことができた。

「帰りにもう一度、寄ってみる?」
飛行機の時間まで少し余裕があった私達は、夕闇せまる園内を突っ切り、再び魔法の国へ。 するとどうだろう。 閉園間際の魔法の国は昼間の大盛況とは打って変わったガラガラの国。
私達はそれから2回、ハリーと一緒に魔法の世界を飛び回ったのだった。

真冬の関西紀行は以上でおしまい。
寒さに飽きたアナタの心が、ほんの少しでもリフレッシュできたら幸いだ。

百味ビーンズ、私は臭った卵味を試食……

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