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連載記事 午後の散歩道
山田りかのハートフルエッセイ

プロフィール:某酒類メーカーに勤務するかたわら、ママ達の日々の暮らしを見つめる勤労作家。年齢不詳。いくつになっても、竜也の前では乙女です。

No.02

フィンランド紀行  〜 出発編 〜

『午後の散歩道』に、ようこそ!

いや〜、ムシムシしますねェ。
早く明けないかなぁ、梅雨……。
と、かな変換でキーボードを叩きながら、
私はエアコンなしで 快適な空気のなかにいる。

イエイエ、北海道に居るわけじゃありません。
なぜなら、今 これを書いているのは
5月の第2土曜日。 まだ梅雨入り前の、
爽やかに晴れた 気持ちのいい午後だから。

この原稿がビタミンママにアップされるのは
7月後半の予定である。
つまりこれは、執筆から掲載までのタイムラグ。
そのなかに、梅雨が1つ
まるまる入っているのが面白い。

そんなの、ちっとも面白くない。
梅雨明け前のジットリした気分でこれを読んでいる
7月後半の皆さん( と私 )は、きっとそう思っていることだろう。

わかりました。
それでは今回のお散歩は、皆さんを 梅雨空の日本から、
北欧の小国・フィンランドにお連れしましょう。

よくあるイメージ画像。

……と、テレビの旅番組なら、
航空会社提供の旅客機が飛び立ち、
モデルで女優の本田 翼みたいな人が
ストン!と現地の空港に 降り立つ映像に変わるところだが。

予算とスケジュールの関係上、
そう簡単に飛行機に飛び乗れないのが
勤労作家の悲しい宿命。

今回は、タイム・ラグの時間を もう3か月巻き戻し、
私が旅した2月のフィンランドの話をしたいと思う。

オーロラが見たい。
私がそう思いはじめたのは、いつのことだったか。

真夜中に突然現れる、極彩色に波打つカーテン。
作家を夢見て 部屋にとじこもり
徹夜で原稿を書いていた時も、
手を止めて、その様子を想像し
しばらくボーッと天井を見上げたものだ。
こんな光景を想像しては、執筆をサボっていた。
オーロラが見てみた〜い!
ふと、それを口にしたことが 実現のきっかけとなった。
何かしたいことがあったら、とりあえず言葉に出してみることだ。
そこから何かが始まるのが人生。
黙っていたら、何も起こらない。

旅の友は、会社の同期で親友のCちゃん。
通常、オーロラを見るなら、アラスカ方面と北欧方面
2つの選択肢があるのだが、
「やっぱり行くならヨーロッパだよねぇ」
ということで意見は一致した。

純粋にオーロラだけを見るのなら、
晴天率の高いカナダのイエローナイフがオススメ
とネットには書いてあったが、
Cちゃんと私は共に「バブルを知っている女」。
オーロラのついでに、北欧デザインの食器や
サンタクロース、ムーミンのふるさと
ヨーロッパの冬のロマンチックな雰囲気を味わうべく
目的地を選んだのである。

実際に旅の準備を始めたのは、去年の秋のことだ。
現地に事務所を置く北欧専門のツアー会社に申込み、
旅程は2月初旬の7泊9日に決まった。

ここで私が第一にしなければならなかったのは
パスポートの再取得。

なにしろ私は、作家になると夢見た日から
バブル崩壊の前に、プチセレブなOL生活を引退した女。

それ以来、本当に長い年月、
北は埼玉「彩の国劇場」での観劇、
南は社内旅行で泊まった熱海までという
狭い世界で生きてきた人間なのだ。
15年間、この地図から1歩も出なかった。

パスポートの種類は、5年用と10年用の2種類。
これより先に渡航する予定など まるでないにもかかわらず
私は迷わず10年用の申請書を手に取った。
だって写真映りは毎年 確実に劣化していくんだもの。
今の私が10年間、有効になるのなら
それに越したことはないではないか。

パスポートに載る写真のために
私はヘアサロンでパーマをかけ、メイクを万全に施した。
スタジオで撮影する予算はなかったが、
駅前にある証明写真のボックスに入り
割高料金の『美顔モード』を選択し、撮影に臨んだ。

この写真なら、なんとか10年耐えていける。
あくまでも自分レベルにおける会心の1枚と、各種書類を揃えて
山下町の旅券センターへと向かったのが、12月の初旬である。
10年保存の撮影に挑む。

前にパスポートを取りに行った時、私はまだピチピチの20代だった。
あれから長い年月を経て、再びここにやってきた私……。
感慨を抱きつつ、順番を待っていると、

「あれ、りかじゃない?」
不審そうに顔を覗き込む人物が。
振り向くと、そこにはなんと ビタミンママ編集部のY子がいたのだ。

聞けば、Y子は 年末に娘達と行くニューヨーク旅行のため
ギリギリのタイミングでパスポート申請をしに来たという。

偶然に驚くY子と私。
だが、もっと驚いたのは、
ここまでの話で、今回のページを使い切ってしまったことだ!

「フィンランドにお連れする」と言いながら、
空港へも行かないうちに、話を打ち切る 計画性のなさ……。

ふざけるなよ、山田りか。
じっとり湿った空気のなかで 苛立ちを覚える皆さま、
誠に申し訳ございませんm(_ _)m

本当にフィンランドに行ったのか?
と疑いを抱く方のため、
私がフィンランドの空の下で撮影した
街の写真をお見せしよう。
人気ブランド『marimekko』 前の歩道。
ホラね。
とっても雰囲気のある、素敵な街でしょう。

次回は成田からひとっ飛び。
森と湖の国・北欧フィンランドの爽やかな風をお届けする、予定です。

それでは皆さん、次の回まで
モイモイ!
(フィンランド語で「バイバイ」の意)

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