國學院大學人間開発学部による「子育てエッセー」
教育が抱えるさまざまな問題と向き合いながら、子どもたちの健やかな成長を考えます。

2017年 No.10 スポーツを もっと身近に感じよう!

   

競うだけがスポーツではない

  
冬の体育の授業の定番といえば、マラソン大会ではないでしょうか。寒空の下、校庭を何周も…。これをお読みの方の中にも、その時の経験から「スポーツ=しんどい」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。実際に、スポーツ庁が行った調査によると、運動やスポーツが「嫌い」か「やや嫌い」と答えた中学生は16・4%いると報告されています。こんにち私たちに親しまれているスポーツの多くは明治期に欧米から輸入され、富国強兵の政策のもと学校教育の中に取り入れられたことから、スポーツ=鍛錬、忍耐といった観念が備わったのです。しかしながら、スポーツは本来、「遊び」や「気晴らし」が進化したものと言われています(学校の授業では、体育の先生の指示に従うことはもちろんですが…)。幼い頃は勝ち負けにとらわれず、もっと気軽に自分の意思で体を動かす必要があると思われます。スポーツは身体活動を伴うことから、身長差や体重差などでどうしても得意・不得意が出てしまいます。スポーツが得意な子たちは褒めてあげ、得意ではない子たちも温かい目で見守ってあげることでスポーツ嫌いを減らす第一歩になるのではないでしょうか。

一流選手のプレーを生で見よう

 
私たちが生活をする横浜にも様々なプロスポーツチームが活動しています。トップレベルで活躍するスポーツ選手は人間離れした身体能力やスピード、テクニックを持ち合わせており、そのプレーは迫力満点です。毎年多くの子どもたちが、将来なりたい職業の上位にスポーツ選手を挙げています。2019年にはラグビーワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、これから一流選手のプレーを間近で見る機会に恵まれます。ぜひ実際に試合会場に足を運んで、彼らのプレーを体験してみてください。大人も子どももきっと夢中になれる時間がそこにはあり、親子で夢や希望について話す場になると思います。

世界に羽ばたくきっかけに

   
国際化の流れの中で、社会においてグローバルな人材が求められています。その一環として幼少期からの英語教育なども積極的に取り入れられています。スポーツの世界でも、野球やサッカーなどを中心に多くの日本人選手が海外を舞台に活躍しています。スポーツは世界共通の文化なのです。こんにちでは、世界各国の様々な情報を気軽に手に入れられるようになりました。親子で一度スポーツを通して他の国の言語や文化を勉強してはいかがでしょうか。将来世界に羽ばたくきっかけになるかもしれません。

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