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連載記事 すくすくポイント
國學院大學人間開発学部

國學院大學人間開発学部による「子育てエッセー」
教育が抱えるさまざまな問題と向き合いながら、子どもたちの健やかな成長を考えます。

2014年 No.04

子どもの十年後、二十年後を考えて〜「子教え」ではなく「子育て」を〜

公立小学校の教員をしていた頃に、ある体操協会の方から伺った話がいまだに強く心に残っています。
「最近の子どもはバランス感覚が悪くなってきていると言われています。その原因の一つに、ご家庭の部屋の片付けが挙げられます」
「どういう意味ですか?」
「以前は、部屋に布団や洗濯物が山積み状態になっていました。その上でハイハイやよちよち歩きをする中で、自然とバランス感覚が養われていました。今は、子どもが進もうとする先に何かがあるとそれを片付けてつまずかないようにしてしまいます。この目先しか見ない親心が、子どものバランス感覚を豊かにすることに蓋をしているのです」
 ハッとしました。それまでの私は「今目の前にいる子どものため」に目が行き過ぎてはいなかったろうか、「十年後、二十年後の子どものため」を考えて、今目の前の子どもたちへの教育を考えていただろうか、と。
 ここ数年、いろいろな企業の人事の方から、新入社員についてこんな話をよく耳にします。
「失敗しないようにと、自分で考えずにすぐに『教えてください』と聞きにくる」
「褒められないと、おだてられないと動こうとしない」
「聞いた話、書いてあることの表面しか見えず、奥や裏を読めない」
「言われたことを言われた通りにしかできない。周りや状況が見れない」
「何かにつまずいたり上司に叱られたりするとすぐに休んだりやめたりする」
 今の社会は、結果主義、点数主義の時代と言えます。結果、点数を出させるためには、そして失敗させないためには、マニュアルなどによりやり方を教えるのが手っ取り早いという結論に達します。しかしこれでは「子育て」ではなく「子教え」です。社会に出てから求められる精神的逞しさが身に付くことは期待できないでしょう。手っ取り早さを求めすぎると、必ず失うものがあります。カーナビが普及した今、方向感覚は衰えていませんか? 携帯電話を持つようになって、覚えている電話番号の数が減ってはいませんか? 安易な道に走るがあまり大事なものを見失ってはいけません。
 大事なことは、我が子の十年後、二十年後を考えての「子育て」です。そのために、(1)親としての見栄や面子を捨てること (2)笑顔を我慢をいつも大事にすること (3)子どもの気持ちになること (4)将来どんな大人にしたいか、そうなるための接し方を考えることが、大事です。今だけでなく十年後、二十年後も「親です」と胸を張れるためにも・・・。

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