高度な医療技術とプライバシーを重んじるレディスクリニック

丁寧で的確な診察であらゆる世代の女性の不安に応える院長の田中彰先生は穏やかな笑顔で話しやすい雰囲気のドクターです。

敷居が高くなりがちな婦人科だからこそ、「気軽に何でも相談できる存在でありたい」と語ります。

横浜赤十字病院や横浜市立みなと赤十字病院の産婦人科部長を務め、数々の症例を診てきた田中先生に、患者さんへの思いや開業のきっかけ、女性特有のがんの検診などのお話を伺いました。

何気ない悩みや不安なことを いつでも相談できるクリニック

――すべての妊婦さんにご自身の携帯番号を伝えているそうですね。

勤務医時代、診察時間外に不正出血やいつもと違うはりがあるなどの急なトラブルが生じたときに主治医と連絡がとれず、救急外来を訪れる妊婦さんをたくさん見てきました。妊娠中に急な痛みやトラブルが起こると、どうしていいか分からず、とても不安ですよね。当クリニックでは「安心して出産期を迎えて欲しい」との思いから、患者さんの診察券には私の携帯番号を記載し、夜間や休日を問わず24時間、オンコールで対応しています。歯科など他院で処方された薬を服用してもいいかという質問もあれば、急につわりがひどくなり、夜中に点滴処置を行ったケースなどもありました。24時間安心して過ごし、出産していただくことが私の使命だと思っています。

当クリニックには入院の施設がありませんので分娩は扱っておりませんが、提携病院の紹介や里帰り出産の相談にも応じています。妊婦さんの中には出産後に赤ちゃんを連れて挨拶に来てくださる方も少なくありません。妊婦検診を通じて何カ月もお付き合いしてきたので、かわいい赤ちゃんの顔を見せてもらうととてもうれしいですし、「出産までのお手伝いが出来て、本当に良かった」と感じます。

――産婦人科医を志した理由、開業を決心した理由を教えてください。

小さいころから勉強は得意だったので、「医者になって、人の役に立ちたい」という思いはありました。医学部に入学して医学を学んでみると、すごく楽しくて。医者は自分にぴったりの職業だと改めて認識しました。産婦人科医を選んだ理由は、全身を診たいという思いがあったから。あともう1つの理由は、「おめでとう」という言葉を何度も言えるからです。赤ちゃんが入っている胎のうや心音を確認できたとき、出産したとき、何らかの疾患や不調が解消されたとき…。こんなにたくさん「おめでとう!」って心から言えるのは、産婦人科医ならではですからね。

開業した理由は、女性の健康を総合的に長く診ていきたいと考えたからです。私は日本医科大学産婦人科大学院を卒業後、大学病院や地域中核病院で、外来、手術、分娩などたくさんの経験を積んできましたが、大きな病院では1人の医師が患者さん一人一人に対して長くトータルに診るのが難しいのです。開業した今、私は女性のホームドクターとしてあらゆる不調に対応し、何でも聞けて何でも話せるドクターでありたいと考えています。

患者さんの気持ちに寄り添った診療体制と設備

――患者さんと向き合うとき、どのようなことを心掛けていらっしゃいますか?

受診することで、患者さんの気持ちがすっきりするような診察を心掛けています。診察では症状や気になることを丁寧に聞くことはもちろんですが、「お子さんいくつなの?」「中学受験は考えているの?」など、世間話もたくさんするようにしています。理由は、患者さんのバックグラウンドによって、同じ診断名、同じ病態でも治療法は1つではないからです。「子供が受験する時期に体調を崩したくない!」「手術は絶対いや!」など、思いや希望も考慮し、納得のいく治療方法を患者さんと一緒に考えていきます。またどのくらいの費用が必要なのかも事前にきちんと説明し、安心して治療や検査を受けてもらうことも大切にしています。

――院内はサロンのようにゆったりとしていて、受診しやすい雰囲気ですね

「いかにも病院」という雰囲気ではなく、リラックスして待ち時間や診療時間を過ごして頂けるクリニックにしたいと思い、デザインをしました。当クリニックには、あらゆる年代の方がいらっしゃいますし、診療内容も妊婦検診、不妊症外来、更年期障害などさまざまです。すべての患者さんが気兼ねなく過ごせるように、院内は患者さん同士、さらに職員との動線が重ならないようにアイランド形式の設計、待合室のソファはセパレート型にしました。待合室とは完全に切り離した場所に配置したキッズルームの床は床暖房のコルクタイルで、小さなお子さんが寝転んでも心配ありません。9枚の琉球畳を敷いた畳エリアもあり、ふすまを閉めて授乳するお母様もいらっしゃいます。

長くお付き合いができる「かかりつけ医」でありたい

――がん検診について教えていただけますか?

当クリニックでは子宮がんと卵巣がんの検査を行っています。子宮がんには、頸がんと体がんの2種類があり、検診では内診と細胞診に加え、必要に応じて経膣超音波(エコー)検査を行います。月経のある方で気になる症状がない方は月経直後に受診されますと、頸がんと体がんの検査を同時に行えます。体がんの検査は子宮内に検査チューブを挿入するため、痛みがあると言われていますが、当院では挿入方法に工夫があるので、よく言われるような疼痛(強い痛み)はまずないと思ってください。「痛みがない」という口コミを頼りに、栃木県や山梨県など遠方から来院する方もいらっしゃいます。

子育てに忙しいからとか、検診は面倒だからと、検診を先延ばしにする方もいらっしゃいますが、子宮がんは女性なら誰にでも起こりうる病気ですし、早期に発見できることが可能な病気です。定期的に検診を受けましょう。

――今後の展望をお聞かせ下さい

先ほどもお話しましたが、主治医として患者さんと長くおつきあいできる関係を築いていきたいですね。出産した方が何年か後に「2人目の子がそろそろ欲しい」といらっしゃったり、もっと年齢を重ねてから「更年期っぽい症状が気になり始めて…」と来院されたり。女性は年代に応じてさまざまな悩みに直面します。そんなとき、「田中レディスクリニックで相談してみようかしら」と思っていただけるような存在でありたいと考えています。

先生の趣味・マイブーム

数か月前から「断捨離」にはまっているという田中先生。今年のシルバーウイークは家中のモノを仕分けし、要らなくなった大量の本や衣類をリサイクルショップに買い取ってもらったそう。子供の頃から何事もやり始めたらとことんやる性分で、和室は断捨離にとどまらず、照明をはじめ、畳、襖、障子などを全て新調し、ワンランク上の空間につくり替えたそうです。

▲院長 田中 彰先生(田中彰レディスクリニック:神奈川県横浜市都筑区)

和歌山県立医科大学、日本医科大学産婦人科大学院卒業。同大学で講師を務めた後、イェール大学医学部産婦人科に1年半勤務。帰国後、横浜赤十字病院、横浜市立みなと赤十字病院の産婦人科部長を経て、2006年田中彰レディスクリニック開院。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。医学博士。

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