歯科総合治療により口の中の健康を守る

山下歯科医院(神奈川県横浜市青葉区)

最先端の医療機器や設備を整え、地域に密着した歯科医療に尽力している山下歯科医院の山下修院長は、口の中の健康を維持するために、虫歯、歯周病、かみ合わせなど口腔内環境をトータルに診察し、治療やメンテナンスを行う歯科総合治療を実践しています。診療の傍、学会参加や講演活動にも忙しい山下院長にクリニックのことや歯の健康のためのアドバイスを伺いました。

歯科総合診療を行うクリニック

――こちらのクリニックの特長を教えてください。

昭和57年にスタートしましたから、35年くらい経ちますね。当院では、歯科総合治療を行っています。歯科総合治療とは、一人の口の中を1単位と考えて、虫歯や歯周病、噛み合わせなどを総合的に治療、予防、メンテナンスをすることで、末長く口の中の健康を維持しましょうという考え方です。ですから、虫歯や歯周病などの一般歯科に加えて、小児歯科、歯列矯正、インプラント、レーザー治療など、幅広く診療をしています。2012年には当院の2階に、歯周病やインプラントの自費治療を専門的に行う「田園都市オーラルクリニック」も立ち上げました。

35年間ここで歯科診療をしてきて、最近は親子3代で通ってくださる方も増えているんです。周辺地域も含めた広い意味での地元の患者さんが中心でしたが、3歳や5歳くらいから診ていたお子さんが、自立して、結婚して、お子さんを産んで、この辺りだけじゃなくて、都内や埼玉県、千葉県からなど、多少遠くからでも自分の子供を連れて来てくださいますし、以前にこの辺りに住んでいたけど転勤で遠方に引っ越してしまった方も、3カ月位に1回、メンテナンスで通ってくれたりしています。だから今は、近隣ではないところから来てくれる患者さんも半数弱を占めます。

――診療で心がけていることは何ですか?

まずは、なるべく削らない、痛みの少ない治療を心がけています。初期の虫歯治療には、プラズマレーザーを照射してからフッ素を塗ることで、負担が少なく治療ができます。歯周病や審美治療ではCO2レーザーが有効ですね。ほかにもドックベストセメントという特殊な材料を使うことで、虫歯菌に感染した部分を最小限に削るだけで治療が可能です。麻酔では、ペインゲートコントロールセオリーに基づいた麻酔をすることで、最小限の痛みによる治療を行っています。

ユニットまわりは広く、口腔内カメラやレントゲン、CTの画像を映し出すモニターが設置されています(山下歯科医院:神奈川県横浜市青葉区)

インプラントにしないための治療が大切

――インプラントにも力を入れていると伺いました。

私はインプラントの専門医です。失った歯の治療法としてインプラントはとても優れた治療方法ですが、だからと言ってインプラントありきで考えてはいけないと思っています。私は、する必要のない歯をインプラントにするのが一番良くないことだと思っています。インプラントというのは、あくまで最終手段ですから、インプラントにする治療ではなくて、インプラントにしないための治療がもっとも大切だというモットーで診療をしています。そのために虫歯や歯周病、噛み合わせの治療や予防が大切になるんです。それに、それらがしっかりとできていれば、もしインプラントにしても長持ちするんですね。

――ほかに、何か特徴的なものはありますか?

院内のいろいろなところで殺菌水を使っていることでしょうか。この殺菌水は、虫歯菌や歯周病菌をはじめとした口の中にいる細菌を殺菌できるので、感染予防の効果があるんです。手洗いや器具の洗浄、清掃、うがい用水や歯を削るタービン、歯石を取る超音波スケーラーなどに使う水にも、院内のほとんどすべてに殺菌水を使用しています。

あとは、大型のモニターを設置して、口腔内カメラやレントゲン、CTの画像を写して説明をするようにしています。LEDリングライトを使用した口腔内カメラと手術記録用ハイビジョンカメラは、自分で開発したんですよ。

――先生は、いろいろと新しい取り組みに積極的ですね。

新しいものを作るにしても、薬だとか医療機器を最初から開発することはできませんから、そういう方向ではなくて、日常の診療で使う道具を少し改良して、良ければ世の中に紹介をしているという感じです。外科の器具は、一般的に使いやすいように作ってありますけど、自分が使うなら、この部分をもう少しこうできないかなと思うわけです。そういうところを自分で考えてやっているんですね。それに今は、部品を買ってきて、理屈や構造さえわかって、特許なども問題がなければ、必要なものは組み上げて作ることができます。ここにある紫外線殺菌ランプは、そんな感じで私が考えて、町工場に依頼して作ってもらったんですけど、ほかの歯科医院さんでも便利に使ってもらっています。

私は小さな頃から、そういうのが好きだったんです。時計をバラして組み立てるなんてこともしていましたから。構造が知りたかったらバラして、また動くように組み立てるんです。組み立てないと、頭の中に入りませんからね。

待合室の壁紙は空模様で、温かみのある雰囲気です(山下歯科医院:神奈川県横浜市青葉区)

歯の健康と保つには、話ができるかかりつけ医を

――歯の健康を保つためのアドバイスをいただけますか?

ちゃんと話ができる先生、かかりつけの歯医者さんを見つけてください。自分の話をちゃんと聞いてくれて、なおかつ話ができる先生というのは、話していることが自分の中にすっと落ちてくるんです。まずは、そのような先生を見つけることです。
そしてもう一つですが、皆さん自分で頭を洗うと思いますが、自分で洗っていても美容院や床屋さんへ行って、ちゃんと手入れをしてもらいますよね。でも世間の人は、歯をしっかり磨いているからということで、歯医者さんには行かないわけです。自己完結するのではなく、プロである歯科衛生士さんの手で定期的にメンテナンスを受けてください。美容院や床屋に行ったら歯医者にも行くくらいの感じを持ってほしいですね。そうやって虫歯や歯周病を予防していれば、歯は絶対に長持ちしますよ。

――先生は、なぜ歯科医師を志したのですか?

昔住んでいたところの近所に歯医者さんがいたんです。その先生は、仕事熱心な一方で、自分の趣味もしっかりと持っていて、ヨットで世界中に行っていたんです。そんな仕事と趣味を両立している先生に憧れたのと、手先の器用さを生かした仕事をしたいと思い、歯科医師を目指すようになりました。

結局は仕事が趣味を上回ってしまうのですが(笑)、趣味としてはゴルフがその1つです。もう35年くらいやっていますが、歳をとって下手になってきてしまいました(笑)。本当はもっと行きたいんですけど、時間が取れなくて、希望するほどは行けていませんね。
歯科の仕事を自分の得意分野にして、やりがいを感じながらやれているのは良かったなと思っています。

――最後にメッセージをお願いします。

当院では、歯科総合治療の考えのもとに、予防から治療までをトータルに考えた治療を行っています。安心して治療を受けられると、長く通っていただいている患者さんも多い歯科医院ですから、虫歯や歯周病、ほかのことでも、お口の中のことでお困りであれば、どなたでも遠慮せずにご相談ください。

院長 山下 修 先生(山下歯科医院:神奈川県横浜市青葉区)

▲院長 山下 修 先生(山下歯科医院:神奈川県横浜市青葉区)

神奈川歯科大学卒業後、同大学歯周病学教室入室。1982年山下歯科医院開院。2012年同院2階に田園都市オーラルクリニック開院。ドイツインプラント学会専門医。国際口腔インプラント学会副会長、他。

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