入れ歯作りの高い技術に加え訪問診療にも積極的 地域に根差した歯科医院


▲たかつ歯科医院 院長 高津 大弥先生

日本大学松戸歯学部卒業後、日本大学松戸歯学部補綴学第一講座(現:有床義歯補綴学)入局。同大学松戸歯学部付属歯科病院学部助手、調布市、野田市の歯科医院勤務を経て、2002年たかつ歯科医院開院。

十日市場駅から徒歩5分、落ち着いた住宅街の一角にあります。院長の高津大弥先生は大学病院で専門としていた総義歯(入れ歯)や被せ物などの技術の高さに定評があるのに加え、穏やかで優しいお人柄は小さな子供からお年寄りまであらゆる世代の人から信頼されています。通院が困難な方の訪問診療にも力を入れ、地域の方々のお口の健康を支えています。

安心して治療に臨んでもらえるよう安全対策を徹底

――医院の特徴と診療の際に気を付けていることを教えてください。

幼児から高齢の方まで幅広く来院されるのですが、最近は高齢の方が増え、患者さんの半数近くを占めています。高齢の患者さんの中には高血圧や心臓の疾患を持つ方もいらっしゃるので、治療の前に丁寧に問診し、必要に応じて血圧、脈拍、心電図、体温、血中酸素飽和度を計測する生体情報モニターで全身の状態をチェックします。当たり前のことですが安全な診療を行うことを大切にしています。

そこで、2015年9月に「歯科外来診療環境体制加算施設」の認定を受けました。これは緊急時の対応や感染症対策のために必要な医療機器を院内に設置し、歯科医師が所定の研修を受け、ほかの医療機関との連携が十分である歯科医院が認定されるものです。認定された歯科医院は全国でもまだ数%のようですが、当院の徹底した安全対策が評価されたのだと考えています。これからも、患者さんに安心して来院していただけるような環境を整備していきます。

――先生がご専門の入れ歯は評判で、遠方からみえる患者さんもいらっしゃるそうですね。

新しく入れ歯を作りたいと都内からお見えになる方や、入れ歯の調整のために九州から定期的に通ってくださる方もいます。わざわざ遠方から来てくださる方のためにもさらに技術を磨き、できるだけ「違和感のない入れ歯」を作りたいです。入れ歯がぴったり合うと食事がおいしく感じられ体調も整うので、人生が豊かになるはずです。また、入れ歯の材料には新しいもの、高価なものだけを優先して選ぶのではなく、なるべく保険適用内の材料で機能的に優れたものを作り、患者さんの負担が少なくなるよう心がけています。

――訪問診療にも積極的に取り組まれていますね。

毎週金曜日は外来をほかの先生に担当してもらい、私は車で訪問診療を行っています。医院から16㎞以内の介護老人保健施設や、通院が難しい高齢の患者さんのご自宅を訪ね、歯科検診や入れ歯の調整、虫歯の治療を行います。強い痛みなど急な治療が必要になった場合には、金曜日以外でもその日の診療が終わった後にお伺いすることもあります。町の歯医者さんとして頼られる存在になれるよう、これからも力を入れていきます。

父や兄と連携し地域の医療を支えていきたい

――現在の場所に開業された経緯を教えてください。

開業のための場所を考えていたとき、この地域は入れ歯で困っている方が多いという話を耳にしました。自分が得意とする入れ歯作りの技術を役立てることができるのではと考え、この場所に開業することを決めました。また、この十日市場駅の周辺で、父が「高津小児科医院」、兄が「高津内科医院」を開業しているので、連携して地域の医療をサポートできるメリットもあると感じています。例えば、お子さんの舌が赤くなってはれるイチゴ舌や、大人にも多いヘルペス、口内炎など、全身の状態が口の中に症状として表れる病気を見つけたときは、父や兄の病院を紹介し迅速に対応できます。

――歯科医師を志したのはお父様の影響が大きかったのでしょうか?

父の仕事を小さなころからずっと見てきたので、小学校高学年のころには自然と医療関係の仕事に就きたいと考えるようになっていました。父はいつも生き生きと働いていましたし、医師という仕事にやりがいを感じていたのが家族にも伝わっていたので、私もそう思うようになったのだと思います。現在も父は「困っている患者さんを放っておけない」と昼夜を問わずお子さんの急病や親御さんからの相談に対応し、24時間体制で診療にあたっています。患者さんに対する責任感や仕事への情熱には尊敬の一言しかありません。私も父を習い、患者さんに親身になって寄り添うことができる歯科医師でありたいです。

――入れ歯や被せ物に関する補綴(ほてつ)を専門に学ばれたのはどうしてですか?

大学3年で初めて入れ歯を作るというとき、とても興味がわき、実際にやってみると自分でも意外でしたが先生の説明を聞いただけで難なく完成させることができたんです。それからは作業を始めると時間を忘れてしまうほど楽しく、そのせいもあってめきめきと腕が上がったので、今思えば性に合っていたのでしょう。大学卒業後は総入れ歯を扱う医局に8年間勤務し、口腔がんの患者さんなど難しい症例も含めかなりの数の総入れ歯を作ったので、噛み合わせの細かな調節には自信があります。

心からの「ありがとう」を聞くために

――歯科医になってよかったと感じた出来事はありますか?

終末期で在宅療養されていた患者さんから「自分の歯で食事がしたいので入れ歯を作ってほしい」と頼まれたことがありました。入れ歯を作るための検査が負担になって体調を悪化させる可能性もあるので依頼を受けるかとても迷いましたが、できるだけ希望に応えたいとお引き受けすることにしました。入れ歯を使用されたのはおそらく数回だったと思いますが、最後に好きなものを食べることができたとご本人も家族もとても喜んでくださいました。心からの笑顔でとても丁寧に「ありがとう」とお礼を言ってくださったときのことは、今でも忘れることができません。

――今後力を入れていきたいことはどんなことでしょうか。

「虫歯は治療ではなく、予防が大切」と呼びかけていきたいです。特に乳歯は歯質も柔らかく薄いので、すぐに進行し数カ月で神経まで達してしまいます。3、4カ月に1度の定期検診と毎日の丁寧な歯磨きを欠かさないようにしてください。「子供が歯磨きを嫌がるのですが…」という相談をお受けすることも多いのですが、「怒らずに根気よく付き合ってあげてほしい」とお伝えしています。

無理やり押さえつけられて嫌な思いをすると、ますます歯磨き嫌いになってしまいます。私自身の子育ての経験からいっても大変なのは一時だけです。クリニックでは私が自分の息子たちにもしている仕上げ磨きのポイントを実践しながらお伝えしています。口の中を健康に保つことが全身の健康にもつながります。大人も半年に1度は歯科検診を受けるようにしていただきたいです。これからも自分の家族に受けさせたいと思えるような治療を患者さんに提供していきます。

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